ケースケ、おつかれさん
そーそ、前の話の続きね
シュースケと私はホテルの部屋に入ると
まずはぎこちなくソファーに腰かけたの
時間は2人ともたっぷりあるし
いきなりメイクラブをしちゃうのも
やっぱりぎこちないから
まずはウォーミングアップということで
とりとめのないお話しなんかしたりして
ここは年の功で、私から話しかけて
和やかな雰囲気を作り出さないとね
「彼女なんかいたりするの?」
「いますよ」
「へぇ、どんなひと?」
「30後半のひとです」
「人妻なの?」
「いいえ、シンママです。子供が2人いる」
「そーなんだ、どーやって知り合ったの?」
「俺、弟がいるんですけど、
その弟のクラスメートのお母さん」
「え?!」
どーいうこと?!
思わず身を乗り出して、シュースケの顔を見たわね
なかなかややこしそーな恋愛してるじゃない
若干、23歳のくせにw
「俺が高校生の時に、
ボランティアで弟のクラスにサッカーを
教えに行ったことがあるんですよ
そのときに彼女に一目惚れしてしまって」
ほう!ますますややこしそーな性癖で
この若造、おもしろそーじゃないのw
「めっちゃ、俺、彼女の顔が好きで、
すっごくキレイなんですよー」
「ふーん、それでどーやって付き合うよーになったの?」
「俺が高校を卒業してからしばらくして
彼女も離婚したと噂で聞いてそれから
1年がかりで何度も好きだって告白して
ようやく付き合えるよーになりました」
これはずいぶん後になって親しくなってから
シュースケに聞いた話だったけど
高校卒業するまで珍しく硬派な彼は
彼女を作るよりも男友達と
つるんで遊ぶのが楽しかったらしく
そこはほら、イケメンのシュースケのこと
彼に密かに思いを寄せる女子の1人や2人はいたみたいで
お節介な女友達がシュースケの元へと偵察に来て
彼女や好きな女性の有無を何かと訊いて回ったみたいだけど
相変わらずおニブのシュースケはそんなことにも全く気付かず
無邪気に男友達とばかり遊んでいたものだから
シュースケの知らぬところで
ゲイ説がまことしやかに流布していたらしい
そんでもって、高校を卒業して
20歳がいよいよ目前になって来た頃
ようやく彼も世間一般の青年らしく、
童貞であることに焦りを感じて
島を抜け出してこちらの町の繁華街にある泡園で
さっさと筆おろしを済ませたと教えてくれたわね
その後、バイト先で知り合った同僚と付き合うよーになったとか
これは年上女性好きメンズあるあるなのだけど
年下、同年の彼女と付き合ってはみるものの
どーにも彼女らの束縛などに辟易してしまって
もっと大らかな年上女性に憧れて走ってしまうというパターン
シュースケも例に漏れずそのわだちを忠実に歩まれたよーで
直ぐにその初めて出来た彼女とお別れしてしまったと言っていたわね
そんな中、高校時代からずっと密かに憧れていた
年上の人妻だった女性が離婚したという噂を聞きつけたものだから
そりゃあ、アタックしたくなるのが人情と言うもんだ…
事前にやり取りをしたKakaoではやたら警戒して
シュースケは自分の恋愛や仕事については
一切何も教えてくれずに誤魔化されてばかりだったけど
いざ対面で会ってみると、
彼は素直に自分の背景について語ってくれたわね
だから、私たちはまだしばらく何もせずに話をしていたの…
to be continued…
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