トオル、おつかれさん
何か、久し振りねぇ、
こーしてトオルにLINE出すの
ねぇ、ゆーやのことで
聞いて欲しいことがあるの
え、最近はずっとキデはゆーやとベッタリで
オレの入り込む隙すらなかったぞ、
どーせ、仲良過ぎてケンカでも
してしまったんだろ
ですって?
…そーねぇ、中(あた)らずと雖(いえど)も遠からずねぇ…
え、それにキデには1つのパターンがあるんだな、ですって?
何よ、それ?
え、新歓特典で新加入のメンズに
ベッタリとしていたかと思うと
大体加入してひと月するぐらいに、
それの反動からなのか
必ずどのメンズとも、ちょっとした
すれ違いを迎えるだろ?ですって?
え、そーだったかしら?
え、オレのときもそーだったよ、
随分とそれで詰められたもんだ、ですって?
思うに、このひと月目のすれ違いを
どー乗り越えるかで
愛人四天王として生き残れるか、
あるいは立ち去ざる得ないかが決まる
オレみたいにどーにか
乗り越えた愛人もいれば
元第5愛人兼セフレだった、
しょーたみたいに立ち去った者もいる
たぶん、ひと月という区切りで、
愛人本来の個性が出て来てキデの個性と
一度ぶつかるせいだろうと思ってる、ですって?
…トオルがそんなことを考えていたとは、
経験者語るって感じで何だか重みがあるわね…
え、キデ、お前はそもそもその当事者だろ、
何、傍観者のようなこと言ってるんだよ、ですって?
あはは…そーだったわね
じゃ、聞いてくれる、先輩愛人としての立場から
トオルも知ってのとーり、
先週の金曜にゆーやとお泊り逢瀬をしたのね
トオルも一時お気に入りだった、ホテルYでね
ま、それなりに楽しかったわ
そんでもって、ゆーやは
「翌日の昼には別の女性とデートがあるから」
って午前中に別れたの
それも何だかゆーやらしいわって、
気にもならなかったわ
前回はセフレトライアルだったこともあって
ゆーやは始終中折れ気味だったけど
今回のお泊り逢瀬では彼もリラックスしていたのか
彼のPはずっとエレクトしたままで元気だったわよ
それでその…こんなこと、さすがに
トオルの前では言いにくいけど
メイクラブでもなかなか
彼はハッスルしていたから
むしろ、昼から会う女性とのメイクラブに
支障が出たりしないのかしらんって
余計なお世話だとは思ったけど
ついつい人知れず
心配さえしてしまったぐらいよ
実際、ゆーやにこう言ったぐらいだしね
「お昼から会う女性とメイクラブをする元気、
まだ残っているの?」
そーしたら、ゆーやはこう答えたの
「あはは…キデねーさん、それは大丈夫だよ
だって、その人とはパンケーキランチをするだけだから
メイクラブにまで至らないと思う」
ここでその相手の女性を
パンケーキ婦人とするわね
ゆーやと別れて夕方頃に
ゆーやからKakaoが来たのよ
「結局パンケーキ食べて、
ホテルYの22号室に行ってきたよ
ほら、キデねーさんと一緒に泊まった部屋ね
ねーさんと帰る時には、
あんなにも荒れ放題だったのに
パンケーキ婦人とその部屋へ
再び戻って来たときには
あの荒れ具合が嘘みたいに
キレイに片づけられてて
ちょっと感動すら覚えてしまったよ笑
懐かしくて我が家に
戻って来た感じさえしたな笑
そうそう、パンケーキで
すっかり回復してしまったのか
パンケーキ婦人としっかりと
3回もしちゃったもんね」
なかなかの悪趣味な変態っぷりで
笑ってしまったぐらいよ
それから、ランチにパンケーキとは、
なかなかやるわねってw
だって、そーでしょ、
あんな血糖値がさも急激に
爆上がりしそうなメニュー、
ランチで摂ったら、
たちまち眠くなってしまうわよ
そんでもって
仮眠を口実にホテルへ連れ込むとは
ゆーや、お主も
なかなかの策士だのぉ
いいねぇ、
これぐらい変態でないと
ってね
だけど!!
その後のゆーやからのKakaoで、
段々と何とも言えない
そーねぇ、もやもやとした
気持ちになってきたのよ
「さっきまでキデねーさんと
逢瀬してたホテル、
まして一晩過ごしたベッドやし、
ねーさんとパンケーキ婦人の
2人への背徳感からか
物凄く興奮してしまってね
ナマ、バック、道具とキデねーさんが
忌み嫌う禁じ手ばかりで
3回もしちゃったよ笑」
私が気になったのは、最後の3行よ
ほら、私って「要望10か条プラス1」で
まさに「ナマ、バック、道具」
を禁忌としているでしょ
それをこれ見よがしに
パンケーキ婦人にしては
ゆーやは興奮して楽しんでる
つまり、それってば、私の
「要望10か条プラス1」で
日頃、ゆーやはストレスを
感じてしまっている
ということなのかしらって
かなり気持ち的に引いてしまったの
確かにゆーやとのメイクラブ
を思い返してみれば
何の制約もないパンケーキ婦人とは
短時間の逢瀬で3回もハッスルしていたけど
私との場合はたっぷりとメイクラブの
時間が取れたにもかかわらず
彼はたったの2回しかイカなかったし
そのうち1回は私はすっかり置いてきぼりだったから
そう、たったの1回しかアクメを感じられなかったわ
正直、ちょっと不満が残っているの
後でもう一度してね♡って言ったつもりだったけど
彼には無視されてしまったような形になってしまったし
そっか、それってば、私が彼に色んな制約を課して
私は性欲が強いわりに
シンプルでプレーンなメイクラブを好むから
全くもって彼的には物足りなかったのかも知れないって
ついつい邪推さえもしてしまってね
だから、思い切ってゆーやに訊いてみたのよ
「私の課す、『要望10か条プラス1』が
ストレスになってしまっているの?」
「そりゃ、『要望10か条プラス1』に
抵触しないようにする、
つまり十分に気を付けなければならない
それってば、制限が設けられるって事やし
人間、誰しもしてはいけませんと言われたら
したくなるやん?
トイプーのトオル兄さん見てたら分かるやろ??
キデねーさん相手にあの禁忌の犯しっぷり笑」
更なるそんなゆーやのKakaoにますます
もやもやと気落ちしてしまってね
そーね、言われてみれば、トオルも
私の『要望10か条プラス1』を
しっかりと破ってくれていたわねって
それじゃ、『要望10か条プラス1』を
掲げる私は、自分一人で相手に
無理難題を押し付けてるだけなのとか
でも、やっぱり、どーしても
『要望10か条プラス1』を
取り下げることはできないとか
ついごちゃごちゃと考えてしまったり
しかも、複数プレイをしたがった私の前に
まさに「バックの壁」が立ちはだかって
バックに対応出来そうにない自分の体を
呪わしく思っていた時での出来事だったから
尚更、もやもやとした気分になってしまってね
初めてよ、こーやって自分とパンケーキ婦人という
見ず知らずの他人とを比較して
劣等感に苛まれているのは
ハッキリ言って、未だに私の中で解決はしていないの
せっかくのいい機会だから、もう少しじっくりと
この劣等感や違和感、ざわざわとする感情に
向き合ってみようと思うの
…正直言って、この感覚、キライじゃないわ
だって今現在の私の価値観に
何かが挑んでいるがゆえの
不快感、落ち着かない感情ってわけでしょ?
一旦、私の価値観をぶっ壊して
新たに大きく幅や奥行きを持たせるための
いいチャンスだと思っているわけよ
私が何かを新たに感じて掴むまでは
ハッキリ言って、
ゆーやと連絡を取るつもりはないわ
私にその自由はあるはずよ
そして同時に、
そんな私を恨めしく思いながらも
一向に返事を得られそうにないKakaoを
私に勝手に送り続ける自由も
彼にはあるわけよ
そんなところかしら
あら、もうこんな時間
早く寝ないと、お肌に響いてしまうわ
とりあえず、
私の愚痴を聞いてくれてありがと
あ、それはそうと、
トオルはいつ私と逢瀬出来るの?
え、私が今後「要望10か条プラス1」
の取り扱いについて
何らか結論が出た頃に逢おう、ですって?
あのねー、
しばらくご無沙汰している間に
せっせと逃げ口上
の腕だけは上げたわね
いいわ、じゃ、トオルもその頃に
こちらの心軽くなるような
素敵な返事をちょーだい
待ってるわ、またね
コメント