ゆーや、おつかれさん
さ、今夜も、愛人帝王学の
レクチャー始めるわよ
そうそう、昨日は私とツヨシのムフフ…な
ところで終わっていたわよね
それからも数回私たちは
多目的トイレで
そんなことをしていたのだけど
決して挿入はしなかったわ
だって、そーでしょ?
状況的に言って、
バックからの挿入に
限られてくるじゃない?
バックだなんて考えただけでも、
鳥肌が立って、それまでのHな気分が
たちまちに凍り付いてしまいそうだわ
多目的トイレでの情事の3回目の時だったわ
その時は、幼稚園児の
社会科見学があったのか
トイレ付近でわぁわぁ騒ぐ子供たちの声が
ずっと途切れることなく聞こえていたの
3人の子持ちのツヨシの末娘が
ちょうどまだ幼稚園児だったせいも
あるのでしょうね
ツヨシの愛撫も
ずっとどこか上の空だったわね
そしてそれさえも中断してしまうと言ったのよ
「もうこんなこと出来ないよ
外で子供の声も聞こえるし、
何か罪悪感を感じてしまって
こんなことはやっぱり間違ってるよ」
私たちのような、多目的トイレ情事の
カップルは多いのかも知れないわね
トイレの中には
「20分以上こもられている場合は
強制的に警備員が開錠します!」
って貼り紙もしてあったしね
ツヨシにそー言われたとき、
何だか私ばかりが一方的に
責められているような気がして
とても惨めな気持ちになったわ
私だけが悪いの?!
私だって、いい年した大人になってまで
こんな青臭いことなんかしたりしたくなかったわよ!
だったら、さっさとホテルへ誘えよ!!
いつまで経っても誘わない、
あんたが悪いじゃんか!
ってね
でもね、一方的に惚れていてた
私が圧倒的に立場が弱かったのよ
黙っていると、
更にツヨシは言葉を続けたわ
「俺は、実はこーしてキデに昼休みに
毎回押し掛けて来られるのも負担だったんだ」
私はやっとの思いで、これだけ言うと、
すごすごと引き上げて帰ったの
「…分かった、私が悪かったわ
今度からは押し掛けたりしないわ」
そうそう、ゆーやがやたら興味を示してる
P男だけど、彼と顔合わせしたのも
まさにこーしてツヨシとの
トイレ情事の直後だったわ
いつまで経っても煮え切らない
ツヨシに腹を立てて衝動的に
いかにも下品そうなP男と
会うことに決めたのよ
あ、そうそう、P男との話は
この「愛人、クビにします!」
の連載が終了したら、
「P野郎!!」の新連載を
始める予定だから、そこで存分に
話してあげるから、今は割愛させてね
日頃は何でも教祖様に打ち明けて
相談する私だったけど
さすがにこの多目的トイレ情事の件だけは
なかなか彼に打ち明けられなかったわ、
惨め過ぎてね
でもね、しばらくしてから勇気を出して
そのことも教祖様に伝えると
日頃は何でもアリって感じで大らかな彼が珍しく
「ツヨシは男として最低ですね、その一言に尽きます」
ってツヨシに呆れてキッパリ断言したのには驚いたわ
それから、これから顔合わせ予定のP男の写真を見せると
「いかにも下品過ぎる男ですね」
ってこれまたキッパリと断言したときには
あー、やっぱりなって思ったけどw
ツヨシは私とは一向に会おうとしない男だったけど
なぜかLINEだけは異様にマメにくれる男で
毎日定刻の、午前6:05、午前7:25、
午前8:15、午後12:35、午後15:05、
午後17:05、午後18:35、午後20:05、
午後22:30、午後22:55、午前0:05
に、田舎のバスの時刻表みたいな間隔で
スタンプだけとか長めのメッセージから
短めの挨拶だけのものも含めて、
多種多様な、でも共通しているのは
こちらがどう返事を書いたらいいのか
実に悩ましい…
…ハッキリ言って、
クソつまらんLINEばかりを
一方的に送り付けて来たわね
私にも同様のことを要求してもきたし
ハッキリ言って、私はメンズと
LINE文通したかったわけではなくて
したいのは、メイクラブだったのだけど!
そんなに大量のLINEを送り付けておきながら
昼間のトイレ情事でのことについては
一切何も触れて来なかったし、
相変わらず私を誘おうともしなかったけどね
ほら、ポンコツ愛人のトオルでさえ、
私が自分以外の他のメンズと逢瀬していると
知るや否や、嫉妬して、
気紛れにでも私に逢いに
やって来るじゃない?
それを期待して、ツヨシに思わせぶりに
教祖様の話を持ち出したりするでしょ
二言目には自分で
「俺は嫉妬深い男だからね」
と言っていたわけだし
確かに彼はたちまちに
教祖様に嫉妬して
LINEを寄越して来たけど
飽くまでLINEの中でネチネチと
私と教祖様の関係を問い詰めて
やがてツヨシの中で納得したのか
勝手に自己完結させてしまうと
「俺はキデのことを信じてるから♪」
というLINEを寄越しただけだったわね
相も変わらず、一向に私と
会おうともしない男だったのよ!
私が奥の手の、2人の夫がEDで
永らく禁欲生活を強いられてきたこと、
それを解消するために、一時は
女性専用風俗の利用も真剣に
検討した話を持ち出してみても、
(女性専用風俗は高額な割に
本番行為は固く禁止されていたから
選択肢からは直ぐに消えたけどね)
「そーだね、俺がそんなキデを
満たしてあげられる男になりたい!」
って言ってくれたりはするのだけど
やっぱり一向に会おうとはしない!!
私が、酷いめまいを感じながらその場で
脱力して崩れ落ちてしまったのは言うまでもないわ
でもね!!
私と一向に会おうとはしない、
そんな頑固なツヨシ王子だったけど
ついに私の願いが通じたのか、
彼から「会おうか」って言って貰えたのよ!!!
あら、もうこんな時間
今日のレクチャーはここまでよ
この続きは、また明日ね
しっかりと学んで、
素敵な愛人さんになってね♡
間違っても、トオルみたいな
ポンコツ愛人になってしまってはダメよ
それでは、またね〜
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