おつかれさん
そうそう、昨夜の話の続きね
ユーキは相変わらず、高速手まんをしながら、
クリトリスを触って来たかと思うと
今度はこんなことを言い始めたの
「ね、ここにバイブ当ててみたい
きっと気持ちいいと思うんだ
だって、高速 で刺激されるんだよ」
私は黙っていたの
どーして、この男は、よりによって
私の大嫌いなものばかり、
こうも羅列するの？！
高速手まん、
おまけにバイブですって？！
そーしたら、珍しくユーキも食い下がって来たのよ
「ね、バイブ使おうよ♪ ね、だからバイブ買って
小さいヤツだから、そんなに高くないし
中には入れないよ♪」
私はそれでも黙っていたわ
こちらはキミの倍以上生きて来て、
倍以上セックスをしてきたのだから
大きいバイブも、小さいバイブも
今更使わなくたってよーく知ってるわよ！
「…使わないわ、キライなの
…それから、痛いの、もうやめて
」
「え、痛かった？ごめん」
やっとユーキの指から解放されたかと思ったら
彼は憮然としてボソッと言ったの
「…ごめん、こっちも緊張してるのか
出来そうにない」
え？
突然過ぎて、そして彼の言葉も
ハッキリと聞き取れなくて
ぼんやりとしていたら
ユーキはベッドから出て、背を向けて
テーブルの座椅子に座り込んだのよ
え、このまま終了してしまうってことなの？
「あー、腹減ったー」
そう独り言を言うと、テーブルの上の
開封されたままのポテチを数枚食べていたわ
え？？？
もうこれで終わりということ？
彼の背中は私の言葉など一切受け付けないという
そんな頑なさがあったわ
何もかにもがカルチャーショック、
ジェネレーションギャップ！！
私こそ憮然たる思いで、もうふて寝してやるって
そんなユーキを放って置いて
ナイトブラ、ショーツを身に着けて
その上から、持参した
ネイビーのシルクのベビードールをまとったのね
え？ベビードールが分からない、ですって？
うふふ、名称を知らないだけで、色んな経験が
おありの、トオルなら、
きっとどこかでお目にかかったことがあるはずよ
よりセクシーなデザインの、シュミーズ、スリップのことね
え、それでも今日日の若者は分からないだろうよ、ですって？
んもー、ググりなさい！！
そのまま横たわってぼんやりとしていたら
いつの間にか音もなくユーキが
私の目の前に立っていたの
彼はじっと私の顔を見ると
「母性を感じる」
って一言、言ったのだけど、
まるで酔っているかのようなテンションで
少し怖かったわ
だって、お酒なら飲み切って
もう何も残っていなかった筈だもの
え、何を言っているの？
しかも、一体どういうテンションなの、これは？
それからユーキは私の顔をさらに覗き込むと続けたの
「ねーさん、今が一番若く見えるよ
化粧しない方が、より若く見えるような気がする
いや、化粧しない方がっていうより、まさに今の顔が、かな」
そう言うと、ユーキはふらふらと
トイレへ消えて行ったわね
確かに、これまでにも何人かのメンズから
私はメイクラブの後の顔の方がはるかにいい
って褒められたことがあったけど
実際、トオルからも逢瀬のたびにそう言われるけど
今回、どうやら私たちのメイクラブは
無様に不発で終わってしまったというのに
それでもしっかりと私の顔は和らいでいると言うの？
そんなこと、キミには分かるの？不発だったくせに？
やがてユーキが戻って来て
ベッドの中に入って来たわ
すっかり私たちの間には性的な匂いなどなくなって
そのまま眠ることにしたの
さっきは全然気付かなかったのだけど
平熱が37度近くもあると言う彼は、
ネコみたいに熱くてホカホカしていて
シーツだけの冷たいベッドの中で少し震えていた私は
彼に腕枕をねだってくっついて眠りに落ちたわね
…でも、今にして思えば、
これがあまり良くなかったかもしれない
それはなぜかと言えば…
あら、もうこんな時間
早く寝ないと、お肌に響いてしまうわ
この続きは、また明日ね
あ、それはそうと、
トオルはいつ私と逢瀬出来るの？
え、さっき試しに体温測ってみたら、
35度６分しかなかったよ、ですって？
私も似たようなものよ
私たち、確実に代謝が落ちてるわね
だけど！！
毎朝体温測定している、
うちの昭和枯れすすきの夫なんか
何と、体温が34度台よ！！何度測っても、そー出るの！！
ホントにこの人、生きてるのかしらって不安になって
思わず夫の手を触ってみたら、
これまた驚くほど冷たかったわ！！
ユーキがお湯だとしたら、トオルは常温水
うちの夫は冷水って感じね
こんなにもメンズによって体温が変わるかって、
何か感慨深いものがあるわね…
え、オレ、少しでも体温上げるために、
これから毎朝、乾布摩擦でもしようかな♪ですって？
あはは、懐かしー
それこそまさにThe 昭和って感じ
今じゃ、どこの小学校でもしていやしないわよｗ
トオルはどこをどう切っても、
昭和男の血が流れているのねｗ
そんな熱い血潮を感じさせるような、
素敵な返事をちょーだい
待ってるわ、またね
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