おつかれさん
そうそう、昨夜の話の続きね
ユーキと私がタクシー会社の待合室で落ち合うと
既に運よく、タクシーが1台停車していたわ
いつもなら出払っていて待たされるのだけど
いかにも訳ありって感じの私たちの身を
隠してくれるかのようで
幸先がとてもいいと思ったわ
実際、パンク町田みたいなドライバーも
「いやぁ、おたくらツイてるね!
もうじきに上がろうかなって
思っていたところだったんだよ」
って、私たちに言ったしね
結局近隣のコンビニではコンドームを
購入できなかったユーキのために
タクシーを違うコンビニで停車させて
ユーキに買いに行かせていた間
翌朝の送迎車のことも考えて
私はこのパンク町田似のドライバーから
名刺をもらったのね
名刺には高橋こーじ(仮名)とあったわ
ユーキはその名刺を見ると
後で2人きりになったとき
ボソッと私に言ったの
「この高橋こーじさんは、
宅配物を営業所止置きにしてるひとだ
確か、アニメ関連の物品だったかな」
私、思わず青ざめてユーキの顔を見たわよ
何、この界隈の全世帯の趣味嗜好、
個人情報をこの男は網羅してるの?!って
爽やかな顔して、実は全住民にとって脅威の男!!だと
婚前以来、超久々にホテルに行くと言うユーキは
それ以外にも、大人の女である私との逢瀬に
「急に緊張してきた」と、何度かつぶやいたわね
そんなユーキを気遣って私は
モンチッチとも行ったし、トオルもお気に入りである
ホテル街の少し外れにあって車では入りにくいけど
でもその分、ホテルの内装が新しい「Y」を選んだのよ
ガレージつきの、そのホテルは車でしか行ったことがなく
タクシーから降りて
私が少しまごまごしているとユーキは慣れた感じで
「ねーさん、こっちから入ったらいいよ」
と教えてくれたわね
やっぱりマイカーなしは、なしなりに、
ホテルの入り方も熟知しているということね
ホテルに入って、最初は互いに気まずくても
そこは暗黙の了解で私からボディタッチをし
メイクラブをし易い雰囲気に持っていくのだけど
いかんせん、このユーキは美形過ぎ、
幼気(いたいけ)過ぎたの
だからと言って、20代の青年らしくガツガツと
私を求めて来る様子でもなかったので
私たちはベッド手前のテーブルの座椅子に
向かい合って座ると
ユーキが買い込んできた食料を広げて
しばらく酒盛りをしたわ
彼はスナック菓子の袋だけを開けると
それを1枚ずつ、静かに口に放り込んで食べていたの
私はメイクラブの前には飲食はしない
と決めているので
彼に合わせて、チビチビとプレモルを
飲んでいるだけだったけど
まだ彼は緊張が解けないのか、
せわしなく電子タバコを吸ったりしてたわ
気管支炎持ちの私は、正直、電子タバコの
かすかな匂いにでさえ敏感に反応して、
時々咳き込んだりしたけど、
やはりこれ以上ユーキを
緊張させたくないと黙っていたの
顔色も変えずにユーキはいつしか
2本目のバドワイザーを飲んでいて
口下手なユーキの代わりに私が彼に質問をして
それに彼が答えるという形で会話は進んでいったのよ
やがて慣れてくると、質問内容以上の話を
ユーキは自らしてくれたりしたわ
ここでも、やはり私は
メンズのお仕事の話を
聞くのが大好きなので
ユーキから色々と仕事に関する話を
聞き出していたわね
あら、もうこんな時間
早く寝ないと、お肌に響いてしまうわ
この続きは、また明日ね
あ、それはそうと、
トオルはいつ私と逢瀬出来るの?
え、ホテルのベッドを目の前に
ずっと白々しく男女二人が酒盛りって、
それはそれで何かエロいなw、ですって?
そーかしら?私は楽しかったけど?
だって、ジロジロと遠慮なく
ユーキのイケメンぶりを拝めたわけだし
まさに眼福ってヤツね
性欲モンスターを自認する私でさえ
ユーキは美形過ぎて、
性欲を余り催さなかったわね
ほら、メンズだってよく言うじゃない?
若くてぴちぴちした、
パーフェクトボディーの
グラドルの写真よりも、
私のような、少し体形の崩れて来た、
フツーの中年女の写真の方が
はるかにそそられるって
だから、年がら年中、メンズから
下着姿の画像くれくれって
うるさいぐらいよ
え、オレはついぞ貰ったことないぞ、ですって?
フフン、だったら直接貰いに来なさいよ
何だったらトオルのためだけに
個人撮影会をしてあげても良くってよ
ね、いつにする?
ワクワクしながら待ってるわ
返事をちょうだい、またね
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