おつかれさん
そうそう、昨夜の話の続きね
ヒロシと私は、思いがけなく、
トオルのお気に入りのホテルへと
入ったわけだけどw
でも、なーんか、不思議ねw
愛人のキャラによって、
同じホテルに入っても、こうも雰囲気が
違ってくるものかしら?ってね
トオルの場合は、
愛のラテン人気質って言うのかな、
私がトオルの車に乗り込んだ瞬間から
トオルは私の右手をずっと握ったまま
私の手にキスしたりなんかして
片時たりとも離しやしないし、
ホテルの部屋に入ったら入ったで
ずっと狂おしいキスの嵐なのだけど
ヒロシはトオルとは真逆のタイプね
そうね、不謹慎であることを恐れずに
敢えて例えるなら、
愛の禅僧気質って感じ?w
ベッドを目の前に2人きりになろうとなるまいと
全く、感情に変化がないのよ
相変わらずの、落ち着き払った鷹揚さで
もくもくと紙のタバコなんかふかしたりしてる
そんでもって、私がせっかく
「ねぇ、一緒にお風呂入らない?」
って、誘ってみても、
ヒロシはいつでも、
「いや、いい。恥ずかしいから」
って、にべもない返事
ヒロシがさっと一人でシャワーを浴びた後で
私はいつでもぽつねんと
湯舟に浸かっているって感じね
トオルとは、お湯がすっかり冷めてしまうまで
ペチャクチャと湯舟で尽きぬおしゃべりをして
そうそう、途中で何度も暖を取るために
お湯を足しているぐらいなのにねw
だけどね!w
こんな落ち着き払ったヒロシにも
一応、オトコとしてのフェチはあるみたいで
それは何かというと、
ランジェリー姿の女性に
弱いってことかしらw
初めてヒロシとメイクラブをしたとき
私のランジェリー姿に、
珍しく上擦った声で彼は言ったわね
「…オレがこういう下着が好きってことを知って
着て来てくれたのか?」
だから、ヒロシの前ではわざとゆっくり
一枚一枚洋服を脱いで
それからキャミソールとショーツになったら
これまたわざと見せつけるようにして
寝室と洗面台との間を用もないのに
ゆっくりと行ったり来たりするわけよw
そんな私を、ヒロシはタバコをふかしながら
チラチラと見ているっていうわけw
一方、情熱家のトオルは、
ほどばしる、自分の熱情に忙しくて
私のランジェリー姿を愛でる余裕なんてないわねw
でも、帰り支度をする頃には
すっかり自分の熱情も落ち着いたトオルは、
まるで小さな子供が
後をずっとついてきて
母親の身支度を見守るかのように
私の一挙手一投足をじっと見つめて
そこで初めて私のランジェリー姿とかを
愛でるっていう具合ねw
そうそう、二人に唯一、
共通した行動があって、
それは何かというと、
無類の洋服好きの私が
上着の襟元にファンデーションが付くのを避けて
ハンカチを顔全面に載せて着脱したら
「一体、何をしているの?!」
って、とても驚かれたところかなw
そっか、そーだよねw
ブティックで、女子にとっては
フェイスカバーなるものをつけて
洋服を着脱するのが当たり前の行動でも
メンズである彼らにとっては未知なる行為だw
あら、もうこんな時間
早く寝ないと、お肌に響いてしまうわ
この続きは、また明日ね
あ、それはそうと、
トオルは、いつ私と逢瀬出来るの?
え、せっかくお気に入りのホテルを作っても
キデが次々と他のメンズと行ってしまうから
新しいホテルがなかなか見つからない
それなら、いっそのこと、キデからヒロシさんに
型枠大工として、ホテルを1棟建てちゃってくれと
お願いしてくれないか、ですって?
そこを「キデ&トオル&ヒロシ」の
3人限定、完全会員制ホテルにして
冷やかし、一見さんお断り
にしてしまうから、ですって?
…トオルは経営幹部として
日頃はお仕事しているのよね?
その割には、1つ、致命的なミスを
犯してしまっているわよ
それはね、私たち三者がそれぞれ頻繁に
逢瀬が出来るわけじゃないから
ホテルの稼働率が低すぎて、
経費ばかりがかさんで
たちまちに赤字経営に
陥ってしまうのを見落としている点よ
もっとぱきっとした、事業計画書を書いて
持って来なさい
話はそれからよ
楽しみに待ってるわ、それじゃ、またね
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