おつかれさん
そうそう、昨夜の話の続きね
モンチッチとあたしはホテルへ入ったわけ
お互い無口になりがちだから
少し気まずかったわね
あたしはベッドに、モンチッチはソファーにと
別々に所在なげに腰かけていたけど
ほら、あたしはこの後、夕方から
教祖様のオンラインレッスンを控えていたし
時間も限られていたから
仕方なく、あたしからモンチッチに近寄ったのよ
あたしから腕を絡めてボディタッチをすると
それで調子が出たのか
モンチッチは、こちらの要望通りに
うなじとか耳たぶとかキスし始めたのよ
だけど、ね!!
34歳のメンズの割には、
モンチッチは口臭が少しキツかったのよ!
うーん、口臭ばかりが気になって
せっかくの愛撫にも集中出来なかったわね
匂うお口でキスなんてもってのほか、
クンニさえもされたくないなぁって
ぐるぐる、色んなことをつい、
考えちゃってさぁ…
私は、口臭、体臭に厳しい、アメリカで愛用されてる
口臭予防のマウスウォッシュをいつも持参しているから
どう言って、どのタイミングで
このモンチッチに勧めようか
そのことばかりに気を取られていたわね
ひょっとしたら、入浴時に気を利かせて
歯磨きしてくれるかなと淡い期待なんかしたりして
だって、平成メンズは、黙ってていても
みんな、歯磨きをしてくれたし
THE 昭和メンズの、トオルとヒロシでさえ
ちゃーんと歯を磨くわよ、ねぇ、トオル?
だけど!!
こーいうヤツに限って、
歯を全然磨こうとしない!!
はー、もー、仕方ないから、
実は外出前に済ませていたのだけど
あたしも、もう一度口に含みながら、
ホテルの備え付けのコップにマウスウォッシュを注いで
モンチッチに渡してやったわよ
そーしたらさ、フーゾクみたいだな、ですって!
あんたのお口が臭いから、こんな要らぬ手間が
増えたのでしょって、
そこまで言うなら、銭取ってやろーかって
セックスする前から、モンチッチに対して
軽く殺意を覚えてしまった瞬間ね
しかも、そのあたしのさり気ない優しさが仇になったみたいで
モンチッチはあたしのことを
得体の知れぬ、商売女だと警戒して
あたしが洗面台へと消えるたびに
もしや変なクスリをもられやしまいかと
言わんばかりにいちいちあたしについてきて
あたしの行動をじっと観察してるのよ
あたしが男性には馴染み薄いアイテムを
コスメポーチから取り出すと
いちいち、それは何だ?と訊いてくるの
こちらも面倒くさいから
もー、あっちへ行って待っててよ
って言っても、それが何なのか
教えてくれるまで動かぬという、
ガチガチの警戒ぶり!!
なーんか、めんどくせー男だなって
内心舌打ちなんかしたりしていたとき
まだ服さえも脱いでいないモンチッチが
ちょっと声を潜めて言ったのよ
「…オレさ、全身に
入れ墨入れてるんだよね
それでも構わない?」
え?何て言った、今?
え?えーえ???
入れ墨ですってぇー!!
しかも、全身????
余りにの、予想外の展開だったから
海千山千のあたしもさすがに動揺して
今夜はいつものお決まりの、アレも
トオルに言い忘れちゃったわよ
この続きは、また明日!
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