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(再)飽食のひと~その8~

大抵のメンズはあたしと一緒にお風呂入ることを嬉しがるものなのに

 

ヒロシってば、どんなにあたしが誘っても

 

「恥ずかしいからいい」の一点張りで頑なに入ろーとはしないの

 

それを熟知してたから、初めから誘いやしなかったけどね

 

翌朝に長めの朝風呂するつもりでいたから

 

あたしは少し長めに浴槽に浸かって束ねた髪を洗わずに体だけを洗ったわ

 

湯上りの体に脱ぎ捨てたシルクのスリップドレスを再びまとうと

 

宿泊荷物に忍ばせていた、シャネルのボディジェルを

 

すねと手首に遠慮なくたーっぷりと伸ばして塗り

 

お気に入りのシャネルの香りでヒロシとあたしの2人だけの夜を閉じ込めたの

 

2人とも日頃は生活圏の愛人同士でしょ

 

自由気ままだと思われるあたしだって、それなりに配慮してるつもり…たぶん

 

でも、東京の夜の今夜は、香りさえ遠慮せずに

 

思いっきりロマンティックな雰囲気に酔ってしまえばいいわ

 

…って、今更、熟年夫婦の様相も呈してきたヒロシ相手に…か、うーん…

 

あたしがバスルームから出て来たのを確認すると

 

入れ違いで今度はすっとヒロシがバスルームへ消えたわ

 

あたしは湯上りのドリンクに、テーブルの上に置かれたままの

 

シャンパンボトルに手を伸ばしたけど

 

そーね、さっき飲み干したばかりだったわね

 

ルームサービスで新たにハーフボトルを頼もうかとも思ったけど

 

今ではすっかり見慣れた窓の外の高層ビルの控えめな明るさから

 

時計がなくても既に日付が変わった時刻であることを知ったわ

 

あたしはメイクラブの前と就寝前は大量のアルコール摂取はしない

 

だから諦めると、炭酸水を飲んだの

 

そーこしているうちに、バスローブ姿のヒロシが出て来たわ

 

あたしはベッドの左側でスリップドレスのまま横たわると

 

後からベッドに入って来たヒロシがあたしを抱き寄せて来たの

 

彼は片ひじついて横たわり、抱き寄せたあたしを見下ろすと

 

そのまま静かにキスをしてきたわね

 

彼は舌を出すとあたしの舌も同じよーに唇から外へと連れ出して

 

気が付けば、あたしたちは舌を突き出して絡め合っていたわけで

 

あ…れ?ヒロシってこーんなキスをするひとだったっけ…?

 

それとも、あたしがこの間、

 

いろーんなメンズといろーんなキスをしてきたものだから

 

記憶違いをしてしまっているのかしら…?

 

…それにしても、何だかちょっと斬新なキスだこと…w

 

…ま、それも面白くていいけど…w

 

最後までヒロシの舌があたしの口の中に入ることなく

 

他の変化球もこの後特になくてキスが終わると

 

ヒロシはまるで小鳥がついばむよーな、

 

そーんなあっさりとしたキスをあたしのうなじに2,3して

 

まるで駆け足かのよーにあたしの胸元まで下りてきたの

 

ヒロシとのメイクラブはホント1年ぶりぐらいだったと思うし

 

それゆえに、「へぇ…ヒロシの愛撫ってこーんな感じなんだ…」って

 

どこか彼の愛撫を観察するよーなところもあったわ

 

そもそも、ヒロシは押しも押されもせぬ愛人メンズなわけだったから

 

セフレトライアル受験生やセフレメンズに対してみたいには

 

あれこれと口うるさく注文など出すつもりもなかったけどね

 

それよりも、そ、快楽よりも、肌を重ねることで交換し合う

 

互いの気の流れというか、エネルギーの交換というか、

 

男女間の情愛とはまたちょっと違う、そんな交流に重きを置いていたし

 

そんでもって、ヒロシはいつでも鷹揚に構えているけど

 

それは人として男として揺るぎない自分への自信があってこそのこと

 

だから、あたしはそんなヒロシに抗うことなく

 

素直に黙って彼のリードに身を任せるのよ

 

そ、彼にはそーやって女を瞬時に黙らせてしまう、

 

そーんな男としての凄みが相変わらずあるの

 

そ、あたしみたいなはねっ返りのじゃじゃ馬でもね

 

そーね、あたしの子宮やM神様が訳もなく強くヒロシを求めるのは

 

そー言う、ヒロシの男として明るく強い遺伝子なのでしょーね

 

いくつも建設会社を回す経営者の立場になってもヒロシは

 

現場で汗水流して働くのが好きみたいで

 

暇さえあれば未だに現場に出て肉体労働をしてる

 

そのせいか、20キロ太ったと言う割には、

 

もちろん腹は太鼓腹になっているけどそれでも全身の筋肉は硬く、

 

日頃の労働に裏付けられて機能的に締まっていたわ

 

もちろん、その肉体もあたしをはじめとした数々の女たちを惹きつける要因ね

 

だけど!!

 

ヒロシがあたしのおっぱいを愛撫してクンニに移ったときには

 

ちょっと単調に思われた愛撫に思わずこちらからも注文を出してしまったけどね

 

でもね、それでもいつものあたしからしてみれば、かなーり控えめにだったのよ

 

「ね、栗ばかり攻めないで、ここのこのヒダも愛撫して」

 

そーしたら、ヒロシってば「お前、結構遠慮なく言ってくるなー」ですって!

 

それなのに!!

 

「…なぁ、俺のも舐めてくれ…」

 

「え?喉風邪こじらせて痰の絡むあたしにFさせる?」

 

「あぁ、頼む」

 

「おまけに咳まで時々出てしまうと言うのに?」

 

「あぁ」

 

ヒロシのヤツ、自分のことは棚に上げて、あたしにしつこく要求するじゃんか!

 

…でも、これはヒロシのヤツも一向に引き下がる気配はないわね…

 

「いいわ、それなら69で手を打ちましょ」

 

そー言うと、あたしは問答無用でヒロシの上にまたがると69をしたというわけ

 

あたしは咳が出ぬよーに警戒しながらヒロシのPをひと舐め、ふた舐めしたわ

 

そんでもって、じーっとヒロシのPを疑わしい目で見てしまったの

 

それと言うのも、てっきりヒロシはあたしにFをしてもらわないと

 

立たないのかと思っていたわけだけど既に立派に勃起していたわけよ

 

そーね、相変わらずの巨根系で、しーっかりと硬くね

 

だけど!!

 

それだけに、あたしは本能的に、

 

余りにキレイに勃起し過ぎてると警戒してしまったの

 

そ、雨が降る前の快晴過ぎる空模様みたいに、やたら調子が良過ぎると

 

タイミングを見誤ると、きっとこれは恐怖の中折れ地獄に放り込まれないと

 

だから、あたしは慌ててヒロシから降りると、今すぐ挿入してとお願いしたわ

 

「ちょっと、待ってくれ…」

 

そー言って、ヒロシはがさこそとズボンのポケットをまさぐると

 

コンドームを取り出したの

 

「あら…ちゃーんと用意してくれていたのね…」

 

うふふ、あたしはヒロシを誘惑して

 

初めてメイクラブをした時のことを思い出していたわ

 

確かあれは、おととしの秋のことで場所はやはり東京だったわね

 

思わせぶりに口説いて呼び出したものの

 

女であるあたしがヒロシのためのコンドームを

 

事前に外で買って用意しておくのには

 

さすがの百戦錬磨の女、あたしでさえいささか抵抗があったの

 

そ、あたしってば、ヘンなところで小心者だったりするのよ、笑

 

だから、プラトニックデートを楽しんでいた

 

あたしのメンターでもある、通称・教祖様に

 

わざわざお願いして、コンドームを買って来て貰ったの

 

教祖様は外国人メンズも対応のフリーサイズを選んで買って来てくれたのだけど

 

いかんせん、それさえも巨根系メンズのヒロシには小さ過ぎて

 

めりめりと彼の勃起したPに食い込んで痛がっていたのを

 

うふふ、昨日のことのよーに思い出してしまったわ

 

あたしが持参した宿泊荷物の中に、

 

ヴィトンのバニティーケースがいくつかあって

 

その中のどれかに、確か元・2代目第4愛人から

 

あたしが強奪したコンドームが入っていた筈

 

だけど、恐らくヒロシのPには小さ過ぎるものでしょ

 

だから、あたしはヒロシとなら別にナマでしたって構わないと思っていたのだけど

 

でもヒロシってば、律儀に断ったわね

 

うふふ、ヒロシらしーわね

 

「いや、それは悪い、ちゃんとゴムはつけなきゃな」

 

そんでもって、ゴムを着け終えたヒロシが再びベッドへと戻って来たのよ…

 

to be continued…

 

 

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