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トーキョーラヴァーズ~その19~(東京愛人特集)

バスタブのお湯張りを終えて、

 

あたしたちはついつい時間節約って

 

2人で同時に浸かるには狭すぎる湯舟に向かい合って

 

主にあたし1人だけが苦心しながら浸かったわけ

 

ここはそんないかがわしいホテルもなければ、

 

そんなせこせこしたさもしーホテルでもなくて

 

効率なんか無縁の非日常の優雅なホテルなのに

 

これじゃ、折角のビューバスだって形無しね

 

マコトは予め体を洗い終えていたのでしばらく浸かった後で

 

先にバスルームから出て行ったわ

 

6月にもここの、パレスホテル東京のスィートルームで

 

あたしとマコトは意気投合して

 

出会ったその日に逢瀬をしたわけだけど

 

うふふ、その時、マコトってば、

 

あたしがシャワールームに置きっぱなしの

 

M専用泡ソープを、フツーのボディソープだと誤解して

 

一気に大量に使われてしまったことがあったのよ

 

だから、あたしはその経験も踏まえて、

 

おまけにマコトは今とても酔っ払っているわけだから

 

また間違って使用されないよーに

 

先にM専用ソープを避(よ)けていたの

 

あたしもバスタブから一旦出て、濡れた体のまま洗面台に行くと

 

そのM専用ソープを取って再びバスルームに戻ったわ

 

2回目の再会は、とてもあたしの意に沿ったものではなさそーだけど

 

それでもこーやって、M専用ソープのエピソードが教訓として

 

ちゃーんと活かされているあたり、

 

ホントにマコトと再会したんだなって

 

今更ながらにじわーんと感慨深いものがこみ上げて来たりしてね

 

これはずーっと後に、あたしの心服する、あたしのメンターでもある、

 

通称・教祖様に指摘されたことではあったけれど

 

こーして、2回目の奇跡の再会を振りながら書いている時、

 

なるほど、あたしはマコト自身に対してよりも、

 

2人ではしゃぎ過ぎた、初回の逢瀬の記憶に

 

固執しているだけなのかも知れないと思ったわ

 

もちろん、それだけでスッキリと割り切れない、

 

他の感情もまだ何か渦巻いているよーな気もしてるけど

 

でも、確かにこのとき、あたしはマコト自身よりも、

 

M専用ソープのエピソードがはるかに懐かしく微笑ましかったわけだから

 

そ、甘美で独りよがりな追憶が肝心の男への情愛を曇らせてしまってる

 

人はその甘美な追憶を虚しく相手に反映させて

 

本当はとうに愛情なんてカラカラに費えた筈の相手に

 

いつまでもしぶとく執着してしまったりするのよ

 

…きっと、あたしがマコトに対してそーしているよーにね…

 

さて、あたしは湯上りのまま濡れた体をバスローブにくるむと

 

マコトの待つベッドルームへと向かったの

 

マコトは面倒臭がって敷布団さえもどかしもせずに

 

その上から全裸のまま大の字になって寝転がっていたわ

 

2人が再会するまでの半年近くの間、

 

あたしは退屈な地元に縛り付けられて

 

それを紛らわすかのよーに相変わらず飲んだくれて

 

そのせいか、実に5㎏も肥えて

 

体型もすっかり変わってしまったというのにね

 

一方、マコトってば、さすがに俳優業もしているだけあって

 

ほんのちょっぴり全体的に以前よりも

 

薄く贅肉の厚みがついたよーな気がするだけで

 

ほとんど体型に変化がなかったわね

 

さすが!連日連夜の接待の深酒で

 

あたしよりもはるかに不健康そーな生活を送っていそーなのに

 

それってば、撮影用にと常に鍛錬している、

 

殺陣(たて)の功績かしらん?

 

それから、あたしは冷徹に…いいえ、幾分意地悪な目で

 

無防備に放り出されたマコトPを見下ろしたの

 

「フン、やっぱりね…」

 

思わず、あたしは鼻を鳴らして冷笑してしまったわ

 

だって、マコトPってば、これまでに見たことがないぐらいに

 

そ、コンパクトにじゃばらの目に沿ってこれでもかって言わんばかりに

 

細かく折りたたまれて、実に小さく縮こまっていたわけだから

 

あたしはその場ではらりとバスローブを脱ぎ捨てると

 

「今夜はやっぱないわね」と呟きながら、布団の中に入ったの

 

そんなあたしの動きににわかに目を覚ました

 

マコトも同じく布団に入って来たわ

 

それからあたしに近寄って来ると、素早く軽いキスをして来たの

 

あたしは、先ほど洗面台で見かけた、

 

マコトの使用済みの歯ブラシを思い出したから

 

「ま、いっか」ってそのキスを受けたのだけどね

 

そ、これはあたしの持論だけど、遊び慣れたメンズってば

 

まず心を許していない女たちにはキスはほとんど仕掛けないわね

 

彼らの数々の経験から、心を許さない行きずりの女たちってば

 

見知らぬ男からのキスを嫌がるって熟知しているからなのよ

 

それが証拠に、マコトもあたしにほとんどキスを仕掛けて来ない

 

尤も、あたしもマコトとキスをしたいとは決して思わないのだけどね

 

マコトもあたしも、遊び人同士、

 

余程惚れこんで気心の知れた相手にしかキスを許したりなんかしないの

 

…その相手は、あたしにとって少し前までは、

 

タツノスケ師範だったわけだけど…

 

ま、いいわ、そんな一銭にもなりやしない、安っぽい感傷は

 

あたしはそこはクールに受け流して、あたしの流儀でもある、

 

今この瞬間、この目の前のセックスの相手だけに集中するの

 

それが、礼儀ってもんでしょ?

 

そんなあたしの思惑など全く知らないマコト

 

呆気ないフレンチ・キスの後で、あたしの胸元にまで降りて来ると

 

左側の乳首だけやはり一吸い二吸いだけすると離れたのよ

 

はー、どーせ冷やかし程度に吸うのなら、

 

右側の乳首にしてくれたら良かったのに

 

どいつもこいつもあたしの左側のおっぱいだけを愛撫するものだから

 

まるで授乳に失敗した哀れな母親みたいに、

 

あたしの乳房も左右いびつな大きさになって

 

いつか伊勢丹のランジェリーコーナーのフィッターさんに

 

驚いて指摘される羽目になってしまうのよ

 

…尤も、左の乳首の感度が右側よりもはるかに良かったりするけどw

 

それはどーして?大事な心臓が乳房の下に埋蔵されているから?

 

呆気ないフレンチ・キスに、

 

素っ気ないおっぱいへの愛撫を済ませた後で

 

マコトはあたしに対して

 

もー、十分な愛撫を施してやったと自己満足でもしたのか

 

彼は再びあの鬱陶しー呪文を繰り返して来たの

 

「…しゃぶれ、しゃぶれ…」

 

あたしはそれには聞こえぬ振りして、こー反撃に出たのよ

 

「マコト、あんた、さっき見たら、

 

あんたのP、めっちゃ縮こまっていたわよ

 

あんなので、ちゃーんと出来るの?」

 

そー言われて、マコトは布団の中でもぞもぞと確かめるかのよーに

 

自分のPを触ると、こー言ったの

 

「…そんなことはない…もー、大きくなってる」

 

そんでもって、彼は掛け布団をガバッとはねのけると

 

自分のPを誇示するかのよーに、あたしに見せつけたの

 

「フッ…」

 

あたしはまたそこで、静かに鼻を鳴らして苦笑してしまったわ

 

だって、辛うじて大きくはなったものの、まだまだ頼りない状態で

 

交通標識の右折矢印みたいに、ぐにゃりと右に曲がって倒れていたから

 

それに!!

 

やっぱ、習慣というものは恐ろしーものね

 

あたしはあんなに慣れ親しんだ、タツノスケ師範P

 

マコトPとを無意識に比べていたわけだから

 

そ、タツノスケ師範は昔の女にその巨根ぶりを

 

ショートのコーヒー缶そのものだって

 

揶揄されたことがあるって言っていたけど

 

実に品がない例えだとは思ったものの、確かに、一理あると思ったわ

 

そんでもって、早過ぎた初体験から

 

数多(あまた)の多過ぎる、摩擦を経た成果なのか

 

その色は、まるで黒糖のかりんとうを連想させるぐらいの黒さであったわけだし

 

一方、マコトPタツノスケ師範と比べると

 

その太さは控え目な単一乾電池ぐらい?否、それよりかはもー少しだけ太いか

 

そして、タツノスケ師範よりかは亀頭1.5個分ぐらい長いのかしら?

 

その色は上品な狐色だったけれど、黒過ぎたタツノスケ師範との対比で

 

あたかもボイルし過ぎてぐにゃりとへたった白アスパラガスのよーにも見えたわ

 

「…マコト、それではまだまだダメよ…」

 

「…待って、もっと大きくなるよ…」

 

そー言いながら、マコトは自分のPを確かめるかのよーに

 

触ったりしていたわけだけど

 

あたしはこの後、短期間で余りに集中してタツノスケ師範と逢瀬をした

 

その彼の巨根による弊害ドクロを思い知らされることになるのよ…

 

to be continued…

 

 

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