少し遅れて、浴室から体を拭いて出ると
おぉ、部屋の明かりは元々不気味に薄暗かったけど
それでも、バスタオルを裸体に当てて出るには
あたしのよーなアラフィフにはまだ明る過ぎて
一瞬、躊躇してしまったほどね
ここで、気の利いた男なら、
部屋の明かりは暗すぎないほどに落として
自分はさっさとベッドの中に入って
あたしを待ってくれていると言うものよ
尤も、デートのディナータイムに無邪気に
パンケーキを勧めるよーな男だったからアナル坊やは
はなからそんな気の利いた振る舞いなど期待してやいなかったけどね
ところが!!
さっすが、不思議系のメンズだけあって、アナル坊やは
風呂から出たあたしのことなどお構いなしにじーっと
部屋備え付けの、あのホテル特有の自動販売機に見入っていたわ
そ、個別に小さな蓋と鍵がかかっているヤツ
昭和レトロのここは、当然ウォーターサーバーなるものもなく
あたしは湯上りで喉も渇いて来たから
てっきり、アナル坊やもドリンクを物色しているものだと思ったの
ところが!!
「お、あるじゃん、おれ、これ買おうッと」
って呟いて、アナル坊やがいそいそと購入したのは
ドリンクなんかではなく、何と、ローションだったのよ!!
なぜローション??
道具、小道具の類を一切好まず、
シンプルなメイクラブを好むあたしは
その使用目的がさっぱり分からず、
「あら、あたし、心配されなくても、
ちゃーんと人並み程度には濡れますけど?」
なーんて、とんちんかんな反論を人知れず
心中でしてみたりなんかしていたわけよ
「…ねぇ、喉渇かない?何かドリンク売っていないの?」
って、アナル坊やに訊いてみたものなら
「ここにないことはないけど、種類少ないし、第一高いよ」
との、にべもないお答え!
はぁ??
アンタ、一体、何に使うのか、用途不明のそんなけったいな
ローションには1000円も使えるのに、
このあたしが飲む、たった数百円のドリンクには
ビタ1文も出せないってーの?!
もーいい!!あたしが自分で買う!!
って、チラリと自動販売機見たら、
まとめて後で精算するタイプだったから
あたしは心底ガッカリしてベッドの布団の中に入ったの
もーこーなったら、意地でもドリンク買ってもらうもんかってね
ホント、最初からして何かと不本意な出来事ばかり
あー、やっぱ、こーして中途半端な流れでホテルに行ってはダメね
あたしは雰囲気に流されて、
無計画にホテルに入ってしまった自分を呪っていたわ
ホント、あたしらしくないことをしてしまったものだって
あたしは性的に解放されていることは認めるけど
同時に人一倍、メイクラブに対してストイックな一面もあったりするのよ
それは、メイクラブの前にはアルコールの類はもちろん、飲食だって控えたりして
そーよ、あたしはいつでも素面で、
「よし、今宵はこのメンズとメイクラブをする!」
って、強い意気込みの元にホテルへ直行するわけよ
だから、あたし的には、お酒を飲んで何となく雰囲気でとか
相談事に乗って貰っているうちに何となく雰囲気で…とかいう、
いわゆる相談Hってのも、全くもって意味が分からないわ!
だから、そんなあたしでさえ、今回のこれは、
不覚にもすっかり油断してしまっていたわけで
そもそも最初から、こんな流れを避けたいからあたしは
いつでもやり取りの早い段階でメンズに
次のことを先陣斬って伝えているのだけどね
「セフレトライアル実施します!
アナル、道具、バック、高速手マン、潮吹かせ、一切禁止!
ゴムとあたしのドリンク、炭酸水(無香料)を持参のこと!
顔面騎乗、バックからのクンニを希望!
だけどこちらからは一切Fは致しません!
中イキに集中したいので、外イキ不要!
騎乗位での2回の中イキを希望します!
1回中イキした後、最低30分の休憩を挟んでからの、2回戦となります!」
でも、逆に考えると、それだけ百戦錬磨の女でもある
あたしのペースを何かと掻き乱す男であったと言うことよ
このアナル坊やはね…
to be continued…
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