場末の赤ちょうちん酒場。
キデのかつての愛人・セフレメンズ集団、
キデ’smen において、
元・2代目第3愛人にして、元祖ポンコツ愛人であったがゆえに
ブログにて公開愛人クビ宣告されてしまった、トオルと
後輩愛人にあたる、元・2代目第4愛人、ゆーやとの
キデをめぐる座談会がひっそりと今夜も繰り広げられていた…
「おい、ゆーや、オレは知ってるぞ
おまえ、ブロガーとしてのキデに心酔するあまり
緊張が過ぎてPが使い物にならず、
セフレトライアルに落ちたものの、
そのキデへの有り余り過ぎる熱情を買われて
華の2代目第4愛人に抜擢されたんだよな
だけど、キデから『やっぱ、男として見れない』って
最終的には終身名誉第4愛人に追いやられてしまったんだよな」
「トオル兄さん、わざわざボクを呼び出しておいて
のっけから、ボクの古傷えぐるよーなこと言う?
何ならボク、もー帰ってもいいけど?」
「ま、待てよ。今更かも知れんが、そんな時には
キデの気持ちを高める、極意があったことを教えたかったんだ」
「今更…?あ、オバチャン、ボクはレモンサワーお願い
ハッ、ついつい惰性でドリンク頼んじゃった
…仕方ない、今夜も少しだけ兄さんにつき合うか」
「いいか、ゆーや、キデは匂いフェチでもあるんだ
世間では加齢臭を何かと目の敵にするが、
キデは高齢の男性の加齢臭がキライじゃない
むしろ、ひなびた親戚の家の仏壇の匂い
を連想させて癒される、ホッとするらしいぞ
それから、キデは、
『現代の日本人男性はどんどんと
無味無臭化して実につまらん!!』
と常々嘆き憂いているらしいぞ
特にメンズのうなじの匂いを嗅ぐのが好きらしいが
最近では香しい匂いを放つメンズとなかなか出会えず
永らく嗅げずに欲求不満らしい」
「そー言えば、ボクもキデねーさんから聞いたことあるよ
無類のシャンパン好きのねーさんは、エルメスのブランドには
全く興味がなく、買う気もないのに、
銀座のエルメスの中にあるカフェバーでシャンパンを飲みたいがために
単身乗り込んで行ったときの話。全くよくやるよね、ねーさんも
それでその時に、意気揚々とシャンパンと
黒トリュフを使ったおつまみを頼んだんだって
そしたら、肝心の黒トリュフの匂いが全く感じられず、
無味無臭でガッカリしたらしい」
「どーせ、安物で質の悪いトリュフか、切り置きでもして
匂いが飛んでしまっただけなのではないのか?」
「兄さん、天下のエルメス相手によく言うね
でも、これにはまだ続きがあって、TVで
妙齢の女芸人がトリュフの匂いを嗅ぐなり
『ゲッ、くっさ~、男の精子の匂いがする!』って
顔をそむけたらしいんだ
キデねーさんは、それを偶然見てとてもショックを受けた
『どーして、私は彼女みたいに匂いを嗅げなかったの?!』って
あたかも、女性としての終わりを告げられたかのよーな気がしたみたい
ちなみに、ちょーどその当時は、ねーさん、
まだ出会い系サイトデビューする、はるか昔で
EDの夫さんとしか男性との接点もない頃だったんだけどね」
「確か、トリュフは雌豚が匂いをもとに、
土の中を掘って採取するんだったよな
なぜなら、トリュフが雄豚の発するフェロモンと同じ匂いらしいから」
「でもね、そんなねーさんも、今ではボクたち、
愛人・セフレメンズ集団、キデ’smen の功績なのか
すっかりトリュフの匂いを嗅ぎ取れるよーになったらしーよ
そんでもって、嬉しそーに『あら、トリュフ臭いわ!』って
シャンパングラス片手にイタリアンレスランで
騒いだとか騒がなかったとか」
「キデのフェロモン受容体が再び活性化されたという話なのか?
でも、それでもキデは、相変わらず、トリュフの匂いはキライらしいぞ
匂いフェチの女なのにな…
おい、ゆーや、オレのドリンク頼んでくれ、同じヤツで
まだまだ続きはあるんだ、今夜は閉店までいるぞ!」
「ヒー、下戸の兄さん、閉店までウーロン茶1本で粘るつもり?
…仕事と時々浮気を挟みながら、この間、全く家庭を顧みないどころか
せっかく建てたマイホームにさえも近寄らなかったから、
今では嫁は嫁で愛人を作り、娘たちからもそっぽを向かれ
もはや居場所がないって
キデねーさんから聞いたことあったけど…ホントだったんだ…」
「ん?何か言ったか?」
「ううん、何も言ってない、ウーロン茶、頼むね」
キデねーさん、ボクはこのまま今夜、
無事に家に帰れる気がしません
ボクの方こそ、トオル兄さんの扱い方の極意を
ねーさんから授かりたいです
to be continued…
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