ねぇ、マコト、あの意味深な発言は一体何だったの?
「旦那さんが病気で大変な中、
セックスしたりなんかするの?」
私はてっきり、最新の私のブログの記事を読んで
マコトは私を非難しているのだと思ったの
でも、それにしてもどうにもおかしい、
何だか自由人のマコトらしくない発言だなって
ずっと違和感が拭えずにいた
そうしたら、あなたは私のブログは見ておらず
単に思いついて、そう質問しただけだと言う
それまで「忙しい」という言葉しか
寄越さなかったあなただったから
あなたの「セックス」という言葉に
私は柄になく妙な胸騒ぎを感じてしまったの
嘘のつけない、つくつもりもない私は
マコトの質問に正直に
夫の容態が安定したのを確認して
セフレと逢瀬をしたと答えたわ
「どうして、そんな質問をしたりしたの?
…ひょっとしたら、マコト、飢えているの?」
「飢えてるよ」
「あー。
変な意味でなくてセックスしてるのかなと気になっただけ!
人生楽しんでるなと思って
遠距離じゃなくて、ご近所同士だったら、
もっとたくさん会えて出来ただろうにと思っただけ
変な意味はないよ」
「疲れやストレスが溜まっているからでしょ?
私もまさにそんなときと、
生理前は無性に飢えるから分かるわ
ホント、ご近所同士なら、今から会いに行くのにね」
「近場で探します!」
…どうして?
近場で探すって言う、
そのマコトの返事にざわざわと
胸が落ち着かなくなってしまったの
…どうして?
少し前なら、サイト経由で
マコトが他の女性と会ったと聞いても
「ふーん」ぐらいにしか気にも留めなかったのに
いつからこんなに胸がざわつくようになってしまったの?
確かに、今の私は嫉妬してるって、静かに認めたわ
それから素直にそれでも控えめに
マコトに返事を打ったの
「私の前でそんなことを言う?
何か嫉妬しちゃうわー
だって、マコトは私の中で一番の愛人だからね
つまり、一番気になって一番好きな男だからね」
それまで直ぐに返事が来ていたのに、
既読が付いたっきり
返事が途絶えてしまったのは、なぜ?
辛抱強く、あなたからの返事を待ち続ける私に
あなたは無視を決め込んでしまったのか
それから数日経っても、
あなたは返事を全然くれなくなったの
もうこれ以上、掻き乱されるのはイヤ、
数日待っても一向に返事が来ないのが、
彼の私に対する気持ちの全てを
代弁してくれているじゃない?
そう思いきると、
私はマコトに最後のメッセージを
送ろうと思ったのよ
おぉ、そうしたら!
「イヤだイヤだイヤだイヤだ…絶対にイヤだ!
マコトと別れたくない、
離れたくない、失いたくない…」
って、私の中で無数の小さな声が
上がるのを確かに聞いたのよ
あれってば、一体何だったのかしらん?
まるで私の全細胞が1つ1つ抗議の声を
上げているような感じだったわ
でも、彼と私との関係に
これ以上の見込みはないでしょ、
そりゃあ、別れる瞬間はつらいかも知れないけど
時間の経過と共にそれも直に薄れると言うものよ
そう自分に…いいえ、厳密には
自分の中のその無数の小さな声にそう言い聞かせると
私はマコトへ最後のメッセージを打ったの
「正直言って、
これ以上マコトとこんなやり取りをしても
意味がないのかなって思ってる
いつでも、マコトは仕事で疲れた、
忙しいとの生返事ばかりだし
出会ったときは、
何か特別なものを感じていたけど
どうやらそれは私の思い違いだったみたい
マコトに会いに東京へ行くのが楽しみで
それまでこうしてLINEでつながっていたいと思ったけど
マコトにとっては手近でセックス出来る相手じゃないと
それも意味がないことが分かったわ
さようなら、今までありがとう」
思い切って送信のボタンを押して、
そしてこれで何もかも静かに終わったと思ったの
これまでの数人の愛人だったメンズと同じように
やはり既読だけついて、別れの言葉もなくスルーされてね
そうしたら、送信してわずかその4分後に
LINEの受信音が聞こえて来たのよ
まさか、あのつれないマコトからじゃないでしょ
こんな真夜中に一体誰からなのって
受信音に驚きながらも確認したのよ…
to be continued…
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