教祖様、お疲れ様です
早速、前回の話の続きをさせてくださいね
開店している店が激減する、日曜の夜の新橋を
マコトが東奔西走して奇跡的に見つけてくれたのは
混雑する、こじんまりとした焼き鳥屋の最後の2席!
マコトは私の服装とお店の雰囲気がそぐわないことを
最後まで気にかけてくれていたけど
私はイタリアンやフレンチよりかは
焼き鳥の方がはるかに好きな女だし
元々掲示板でも、食べたい夕飯のジャンルは焼き鳥と
挙げていたのだから、願ったり叶ったりだったけどね
入り口に近い二人掛けのカウンター席に座るやいなや
このマコトの気遣いがとても凄かった
さっと彼はテーブルのタブレットを手に取ると
私の好みを訊き出しながらテキパキと注文を始めたの
とにかく、会って間もなくお店を探し出す様とか
気遣いとフットワークの軽さが
尋常じゃない!
マコトのそーいうところに、
元々女王気質のある私は、
本来の自分を取り戻したかのよーに
まだそんなに会話を交わしていないうちから
すっかり寛いで打ち解けてしまったわけだけど
それもそのはず、マコトは
某大物俳優の付き人を
長年してきたというのだから
きっとそのときに、今のよーな超絶気配り
フットワークの軽さを培ったのだと思う
尤も、彼のそーいう天分というのも
いささかあったかとは思うけど
実際、マコトは兄貴分から
異様に可愛がられるタイプで
ずっとマコトを引き連れて一緒にいるので
常にどこかの兄貴分の彼女、嫁から
俺は大変嫌われてしまうんだと
マコトは嘆いたよーな口調で教えてくれたの
うん、分かるよーな気がするw
マコト自身も若かりし頃から俳優志望で
ずっとどこかの劇団に所属していて
私もTVドラマ好きの夫と一緒に観た
現代劇、時代劇のドラマにも
幾つか実際に出演していたわね
写真交換では派手でちょっと下品にさえ思えた顔も
月代(さかやき)のカツラを被らせたら
あらら、不思議、どこかの武将にしかもう見えないの
つまりはカメラ映えする顔立ちということね
第一、何とも言えない気迫が目に宿って
マコト本人の個性はすっかり消え去っていたわ
そーそ、これはマコトから聞いた余談だけど、
自分が出演したドラマが再放送されるたびに
未だに出演料が支払われるのですって、へぇ…
私は日中ずっとホテルにこもって
ゆるゆると執筆しながらシャンパンを飲んでいたので
元々そんなにお酒が強くない私は
生中1杯を飲むともうこれ以上アルコールは
いいかなという感じになっていたわね
一方、マコトは相当お酒に強いと見えて
生中の後に、数本瓶ビールを頼んでは
顔色も一切変えずに
相変わらず饒舌に話しながら旨そうに飲んでいたわ
マコトから芸能界に関する話や
ちょっとした演劇論について聞かせて貰いながら
これ以上の肴はないと、
元々メンズのお仕事の話を聞くのが大好きな私は
初めて聞く彼の話に夢中になって耳を傾けていたわね
でも、その話についてここで詳らかにしてしまうと
マコトのことを知る人には分かってしまう
可能性があるということで
マコトから
「余り俺のことについて具体的に詳しく
書かないでくれ」
と、初めて私と逢瀬したメンズから注文が来たので、
今回は素直にそれに従おうと思うの
実際、この記事もマコトはチェックすると言っていたし
うふふ、それなのに、こーして私に自分のことについて
ギリギリの範囲で書かせてくれることを許可してくれた
マコト、どーもありがとう
そーそ、私はあんなに執着していた、
元・2代目第3愛人であった、
トオルに公開で愛人クビ宣告
を行った時でさえ、わずか30秒の間でしか
涙を流すことが出来なかったぐらいの
心身ともにひじょーに乾ききった女だったりするけど
それだけに常々、自由自在に涙を流すことのできる
俳優という人種が不思議で仕方なかったので、
マコトに
「今すぐ涙を流すことが出来る?」
ってミーハー感覚で訊いたら、彼は、
「台本があってそれを読み込んだら、
しかるべきところで自然に涙は流れるものさ」
って、これまた実に眩しい返事をしてくれたわね
そーそ、焼き鳥屋に入って、最初に運ばれて来た
生中のジョッキを重ねて乾杯をする頃には既に
マコトも私とウマが合うと感じていたらしく
そー言えば、私に何度かこー言っていたっけ
「俺たち、相性がいいと思わないか?
俺には分かるぞ、体の相性もきっといいぞ」
「相性がいいのは私も感じているけど、
うふふ、体の相性は、さぁ、どーかしらね?」
だって、今では百戦錬磨の女と言われる私でも
初めての肌合わせでばっちりと体の相性が合う
メンズにほとんどお目にかかったことなどないもの
だけど、酒を飲みながらもほぼ素面な感じで
そんな性的に大胆なことを言ってきても
マコトはずっと紳士で、
例えばスナックとかの飲み屋で
繰り広げられているよーな感じで
私の体に図々しく触れてくるというわけでもないの
たぶん、彼は何の気もなく、単純に思ったことを
サラッと遠慮なく私に伝えただけなのね
それを私も特に不快な感じはせずに
淡々と聞いているよーな感じ
それぐらい、マコトと私はウマが合って
初めて聞く業界の話なのに
マコトのフィルター越しに伝えられるせいか
あぁ、何かその話、その感覚分かる!って
そんなツーカーな感覚ばかりに襲われてる
どんな話の流れだったか、
マコトは
「今の男たちは1人Hの時にも
容易に動画に頼り過ぎてる、
もっと己のイマジネーションを駆使して
好きな女のことなど妄想しながらしてみろ!」
と、熱く独自の自論を展開していたわね
うふふ、でも、私、
マコトの言っていること分かるな
私やマコトが若かりし頃ってば
今ほどAVはメジャーでなくて
まだインターネットだなんて
そんなに普及していなかったから
エロ動画を見ようと思ったら、
わざわざ借りに行くしかなかったものね
だから、こっそりと好きなひとのことを思って
1人Hすることだって頻繁にあっただろーと思う
だけど!!
私が主に逢瀬する、今の20‐30代の平成メンズってば
好きな女子のことを考えて1人Hなんかしたことない
いつでも動画を観てしてるって答えるもんね
おぉ、何て風情のない話なの!!
いつだって人のエロスを最大に掻き立てるのは
人の想像力だと言うのにね!
そして、私はマコトの話を聞きながら
女としてときめくというよりかは
気の置けない悪友みたいな感じで
妙にワクワクしながら隣にいたの
大人になって久しい私を
こんなにもワクワクさせてしまうだなんて
実に珍しい男であるわねって思ったわ
to be continued…
コメント