ゆーや、おつかれさん
さ、今夜も、愛人帝王学のレクチャー始めるわよ
そうそう、昨夜はヒロシとあたしが
ついにメイクラブを遂げた
というところで終わっていたわね
その夜はメイクラブを終えた後、
しばらくピロートークを楽しんだわ
遅ればせながら、10年前に出会った時に
一目惚れをしてしまった話とか
そーすると、ヒロシも実はそーだったとか
え、そーいう話こそまさにシャンパンバーで
すべきだったのでは?ですって?
そーねぇ、あたし的にはしたつもりでいたけど
していなかったみたいなのよね
だから、そのことに気付いてヒロシに
こーやって後から伝えたわけだけど
ま、いーじゃない、
ポンコツ愛人らの上に君臨する、
あたしもポンコツ女王ってことで
一旦、狩人モードに入ると
泣く子も黙る、無敵状態になるけど
何せ周囲が見えていないものだから
大事な要素を見落としがち
それゆえ空回りしがち
どーしようもないけど、これがあたしたるゆえんなのよ
何だか自分で自分を
面白いヤツだなってツッコミたくなるわ
そんでもって、
仕方ないわねって、受け入れるしかないわw
えぇ、全くもって懲りてません
これからもこれがあたしの基本スタイルよ
それからヒロシと私は約束したのよ
「あたしたちはまさに生活圏の愛人同士だから
地元に戻って頻繁に逢瀬するのはとても危険だわ
だから、またこーして東京出張の機会があったら
もれなくヒロシを出張要員として推薦するから
そのときにたっぷりと逢瀬しましょ」ってね
あたしには一応、曲がりなりにもツヨシっていう
生活圏外の愛人もいるわけだし
ヒロシにもどーやら、1年に数回だけらしいけど
それでも時々逢瀬している年上の彼女がいるとも
教えて貰ったし
だから、日頃はそれぞれ互いの生活圏外の愛人に
集中して、また機会があったら逢瀬しましょ♪ってね
そうそう、早速、ツヨシへの愚痴を
ヒロシに聞いてもらったりなんかしてね
…尤も、そー約束しながら、ムラムラしたあたしが
地元に帰った後でも数回、
ヒロシを呼び出してしまうわけだけどね
まだこのときはしっかりと
キデ’s men という概念はなかったけれど
でも、知らず知らずのうちに
そう、あたしの中の
欲望成就方法の分散化に則って
第1愛人には教祖様
第2愛人にはヒロシ
第3愛人にはツヨシ
って彼らに席を与えていたのね
それじゃ、いつしっかりと
そのキデ’s men の概念が出来上がったかというと
これまた一向にどーしてもあたしと会おーとしない
ツヨシをあたしも懲りずに嫉妬で刺激して
そーねぇ、ちょっと例えが下品かもしれないけど
殺虫剤の煙でいぶされて、
巣穴から虫🐛が出て来ざる得ないように
ヤキモチ妬きのツヨシが
あたしに会いに来ることを期待して
彼に思わせぶりなLINEを送り付けたときがまさに
キデ’s men をあたしの中でもはっきりと意識して、
誕生した瞬間だったと思うわ
もちろん、嫉妬深いツヨシには
何もかも教えたりなんかしないわよ
ツヨシには思わせぶりに
男友達があたしには何人かいて
時々一緒に遊んだりしてるとだけ書いて送り付けてやったの
わざわざご丁寧にもその男友達の特徴を
ツヨシに事細かに説明してあげながらね
男友達A、男友達Bと便宜上銘打って
もちろん具体的に誰が誰かだとは説明はしなかったけど、
あたしの中ではこんな感覚だったわね
男友達A → 教祖様
男友達B → ヒロシ
そして、そーやってツヨシに説明しながら
ふと思ったのよ
「そっか、この『男友達』こそ、
あたしの中で決して外せない、
あたしにとって大事な『愛人連中』なのね
つまり、そんな彼らはまさに私の男、
キデ’s men と呼ぶに相応しいわ」
だから、この瞬間がまさに
キデ’s men が誕生した瞬間なのよ
ツヨシは自分のあずかり知らぬところで
キデ’s men 誕生に立ちあって
その結成にしーっかりと貢献してくれたということよ
もちろん、そんなことなど露ほども知らぬ
ツヨシは気色ばんで
返事を寄越して来ただけだったけど
「女性が結婚した後も、変わらずに男友達と会うって
一体どーいう状況なの?
いわゆる不倫とかの関係ではなくて?
オレには女友達どころか、結婚してからは
男友達さえ連絡を取らなくなってしまったよ」
それに対して、
あたしも白々しくこう返事したりなんかしてね
「私には何人か男友達がいるのだけど、
最近、気が付けば彼らの前で、
ツヨシのことばかりを惚気てばかりだったわ
あたしの超好みの彼なのって
どんなにツヨシに惚れているのか
何かとーっても再認識させられたって感じよ」
だって、教祖様やヒロシの前で
散々ツヨシのことを愚痴りながらも
一向にそんなツヨシと別れようともしないあたしは
裏を返せば、まさに彼らの前で
惚気ているようなものじゃない?
多少誇張はしているけど、
決して嘘はついていないつもりよ
そしてこのLINEを送って数日後の昼休みに
あたしはまた夫とツヨシの職場の近所へ
業務上の所用で出向くことがあったの
そのことを事前に知らせていたから
ツヨシは仕事で忙しいから
行けるかどうか分からないと言いながらも
待ち合わせ場所に来てくれたわね
だって私たちは、あのトイレ情事から
全然会っていなかったわけだし
ツヨシは時々あたしに自分の写真を送ってくるものの
写真嫌いなあたしは一切ツヨシに送らなかったわけだから
あたしが一体どんな顔した女だったのか
もう一度会って確認してみたいというのもあったのかもね
またもやあたしたちは夫が用事で消えた隙に
こっそりと慌ただしく会ったわけだけど
その後にツヨシからLINEがやって来たわね
「今日久々に会ってみて、
やっぱりキデは美人さんなんだなぁと再確認したよ
この間のことがあった後で、
今更こういうのもちょっと気まずいところはあるけど
…どーかな、どこかホテルで会わない?」
…ほらね、あたしってば、会ってみると
その真価が分かる女なのよ
って、ほくそ笑んでいられたのも束の間だったわね
あたしがツヨシのその言葉を真に受けて
たとえそれぞれの同僚に見られたとしても
別々に時間差で入ってしまえば
単なる買い物で立ち寄ったとしか思われない
商店街のショップと一体化して溶け込んだ
ツヨシと私の職場近くのシティホテルを
いそいそと予約したのに
またもや直前になってツヨシから
残業を理由にドタキャンされてしまったのよ
数時間の逢瀬の予定だったけど、あたしは
すっかりそのホテルを利用するつもり満々でいたし
今更それを取りやめにして夫の待つ自宅なんかに
すごすご帰るつもりなんて毛頭なかったし
そこであたしはカエル男🐸に連絡して
「一緒にあたしとシティホテルだけど、泊まらない?」
って誘ったのよ
え、カエル男🐸って誰ですか?ですって?
うふふ、それはまた明日のレクチャーで
お話しするわ
今日のレクチャーはここまでよ
しっかりと学んで、
素敵な愛人さんになってね♡
間違っても、トオルみたいな
ポンコツ愛人になってしまってはダメよ
それでは、またね〜
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