トオルはキデの乳首を十分に満喫したのか
ようやく顔を上げるとまたもやキデにキスをしてきた。
トオルのキスはいつでも力強い抱擁とセットで
今ではそれをすっかり熟知しているキデは
実にトオルらしいと、やはりここでも
尽きぬトオルへの愛おしさをもって
トオルのうなじへ両腕を回すと
トオルに負けず劣らずの力強さで抱きしめた。
固く抱擁し合ったまま二人はキスを貪ると
トオルは仰向けになった。
それからまた、あの濡れたような甘えたような
眼差しでキデを無言で見た。
トオル自身、言葉ではっきりとキデにFを求めることに
照れがあるのか、決して言ったことはなかった。
日頃は「ベッドでの報連相」をすべしと
あんなに声高らかに唱えるキデなのだが
トオルに限って言えば、そのはにかみさえも
可愛く愛おしく許せてしまえるのだった。
通常ならば、69でもない単独のFなんて
面倒くさくて可能な限り回避するキデなのだが
やはりトオルに限っては、
待っていましたかと言わんばかりに喜んで、
半立ちになったトオルのPを頬張った。
だってトオルらしさの象徴だもの。
トオルのPは長すぎることもなく、
太すぎることもなく、
極めて標準的な大きさのコリコリ系で
キデの一番好きな形状であった。
コリコリ系なので、Fをしていても
ダイレクトに反応がキデにも伝わって来るのだ。
トオルはFをするキデの横顔を見るのが好きなので
キデもそれを意識した角度で行った。
トオルはそんなキデをまばたきもせずに
見つめながら、キデの前髪をもてあそんだ。
トオルは前髪を横に流したキデの顔が特に
お気に入りだったのだ。
日頃はキデを苦笑させるだけの、
なかなかのイカレポンチぶりなトオルなのだが、
なぜかキデの容姿を褒めるときだけは
別人のように極めて効果的に的確に
しかも自然にサラっと褒めてくれた。
トオルはキデのおでこがキレイだと褒めてくれたし。
実際、そこは若い頃からのチャームポイントで、
加齢で横皺が目立つようになってからは
日々の顔ヨガの鍛錬の成果で
横皺をかなり薄くすることが出来、
最近再び自分のチャームポイントとして
復活しつつある箇所でもあったのだ。
確かに、中折れしないP、
たちまちこちらに火をつけてしまいそうな、
そんな絶妙な愛撫を施すメンズとは
割かし出会える。
でも、トオルみたいに嫌味なく
褒めてキデをとろけさせてしまうような
そんなメンズにほとんどお目に掛かったことはない。
そういうところも、トオルがキデを殺してやまない、
彼の美点なのだろうか。
時にはキデの喉奥に亀頭を当てて押し付けてやると
トオルは声にならない
小さな呻きを上げるのが分かった。
久し振りの逢瀬で、
昨夜トオルは健気に約束を守って
自慰をせずに我慢したせいか
いつもよりか反応もビビットで
固くなるのも早かった。
上じゃなくて下の口で咥えたいわ
キデのそんな思いが以心伝心で
トオルにも伝わったのか
トオルは無言でキデの腕に触れると
ストップのサインを出した。
「…ねぇ、入れてもいい?」
聞かなくても返事は分かっているのだが
トオルを更に興奮させるかのように
キデは敢えて口に出して言った。
トオルは少しトロンとした目で
キデを見つめると、無言で頷いた。
ホテルに入室してキスを始めてから
否、トオルの車に乗る前の
あの横断歩道までの車道から既に
キデはトオルを受け入れる準備が
出来ていたのかも知れなかった。
気が付けば既にキデは濡れていて
トオルの上にまたがり沈み込むと
愛しさと快楽のないまぜになった
歓喜の声をあられもなく上げた。
キデはトオルのPを自分のより深い所で
受け止めたくて、トオルの上で身をかがめた。
そうすることで少しでも、
快楽によって次第に降りてくる子宮の入口に
トオルの亀頭をこすりつけたいと願ったからだ。
望みどおりに、
トオルのPの突き上げてくるような快感に
ぞわっと悪寒めいた震えが全身に走った。
人よりも長く大きめのヒダを持つキデは
そのせいか日常でもしばしば
性的な気分になった時に
小陰唇がぞわぞわとする感覚を
覚えることがあるのだが、
まさにその感覚があったかと思うと
今ではすっかり充血して大きく膨らんだヒダは
二枚貝であるかのように
トオルのPの根本で両側から挟み込むと
愛おしい男のPを決して離すまいと
貼り付くようでもあった。
トオルもヒロシのように、キデの下で動いたら
どうなるのだろうともぼんやりと考えたりしたものの
でもトオルとヒロシのPはそれぞれ形状が相反すると
直ぐ様にその考えを打ち消した。
しばらくキデはトオルの上で上下に動いて
その感触を楽しむと、クライマックスを求めて
トオルのPを締めにかかった。
あまりトオルの上で長居が過ぎると
トオルのPがへたってしまう可能性があったからだ。
「…ねぇ、おっぱいを吸って」
喘ぎながらキデが言うと、
トオルは上半身を起こして
キデが最も感じやすい左側の乳首を吸った。
キデは自分のために上半身を不安定な状態で起こした
トオルを慮って、
いつものようにトオルの腰辺りに
その辺の枕をむずと掴むと差し込んでやった。
キデの寵愛を一手に受ける、愛人筆頭の特権か
いつでも自由気ままに、
キデの「要望10か条」を逸脱するトオルは、
この時も、キデの左側の乳首ばかりを吸って攻めた。
さすがのキデもトオルが
左側の乳首ばかりを吸うのが
気にはなったが、その後すぐに押し寄せて来た
アクメの予感に何もかも吹き飛んでしまった。
キデの乳首を吸う
トオルの後頭部をくしゃくしゃと
撫でると、自分の胸にトオルを押し付けた。
「…ねぇ、もっともっとよ…
…もっと吸って…
…あはぁ、もう少しでイキそうなの…」
息も絶え絶えにそう告げたかと思うと
キデはじきに歓喜の声を上げた。
「イクッ!!」
いつの間にか再び仰向けの姿勢に戻っていたトオルは
トオルの上で硬直したかのように
うつむいて怒涛のように押し寄せて来るアクメの波に
酔いしれるキデの表情を隠す前髪を掻き分けると
快楽に震えるキデの顔を
よりはっきりと見ようとした。
トオルにはお気に入りのキデの顔の角度が
いくつかあるらしく、下から見上げるのも
その一つであった。
やがて脱力したキデが
トオルの上に覆い被さって来た時、
キデはトオルにキスをした。
キデはまたもや両腕を伸ばして
トオルの手を求めると
トオルも両手で握り返した。
to be continued…
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