「スクショは、あの2枚のみでした
(サイトで待ち合わせの場所を決めたやり取りのもの、と
事前交換したキデの写真)
流れと致しましては、友人にあなたの写真を送り、
美人局かな?どうだろう?
(本当にほぼこの二言だけでした)の後に
2枚のスクショを知人に送信したようです
この写真の後は、あなたに関するやり取りは
一切なく、世間話に戻りました
友人とのあなたに関するやり取りはこれだけです
現在やり取りが残っていないので
写真はこの1枚しか送れなくて申し訳ないです
夫は自分にとってとてもいい人に会えたと
自慢したかったようです
LINEを交換していたことは知りませんでした
夫は私とキデさんがやり取りをしていることを
今日の昼に知りました
話がまとまり次第、夫に伝えようと思っていたので
今回、私の生活態度が気に食わない、
それなのに唯一の楽しみの、キデさんとの関係も
断ち切られ腹が立つとのことでした
結婚と同時にこの地へ引っ越しをし、
知り合いが一切いない状況で
夫が浮気をしているのではないか?
という不安がつきまとい、
精神面と生活が乱れていました
夫だけが心の拠り所でしたが、
夫にとってはあなたが
心の拠り所だったようです
ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
このメールの後で、なつみはラインの
スクショを送信していた
ラインのスクショは小さく、
老眼の始まっていたキデにとっては
それの内容をしっかりと確認することは
ちょっとした労力のいる作業になるので
ざっと見ただけであった
それよりも、なつみの悲痛な叫びに
自分の置かれた立場も忘れて
心動かされている自分に
キデは少し驚いていた
どうかしてる、彼女に同情しているの?
同情だなんて、最低ね
自分の置かれた立場、分かっているの?
私は彼女にとって
永遠に憎い敵でしかあり得ないの
冷静になって自分の要求内容だけを
確認するのよ
感情に飲まれてしまうと
ますます状況が見えなくなって
出口が見えなくなってしまうだけだわ
人知れずそうつぶやくと
万感の想いを振り払うかのように
頭を小さく振って
キデは窓辺から摩天楼の夜景を見下ろした
to be continued…
コメント