おつかれさん
そうそう、昨夜の話の続きね
このやり逃げくんは、
メールの文章が短いだけじゃなくて
メールのやり取りもマメではなかったわ
ハッキリ言って、サイトKでは
珍しいタイプだったわね
そういうダラダラとしたやり取りが
数週間続いたのよ
ね、知ってた?
出会い系サイトではやり取りを
開始してからの2週間が勝負なのよ
その間に、メールのやり取りで意気投合し
そうね、LINE交換までにたどり着けないと
まー、まず顔合わせにまで至らないわね
そういうわけだから、一体、このやり逃げくんは、
私という相手に何を求めているのだろうって
こちらもどうにも戦略を
立てにくくなったものだから
そーいうときは、相手にストレートに訊いちゃえって
やり逃げくんに訊いてみたのよ
「一体、どういう相手を求めているのですか?
いっそのこと、さっさとお会いしませんか?」
そーしたらさ、このやり逃げくんは、
自分のことなど棚に上げて
いけしゃあしゃあとこう言ったのよ
「僕は、セフレとかを求めているわけではありません
飽くまで、婚外恋愛の相手を探しています
だから、じっくりとキデさんの人となりを知ってから
お会いしたいです」
は?
だったら、お前、もっと会話のキャッチボール出来そうな
もう少し長文のメールを
もっと頻繁に送って来いよ!!
何でもかんでもこちらに丸投げするなッ!!
って、思わず心中で一人、キレたりしたけど、
ま、相手は魅惑の30代のメンズだし
しゃねーなって、大人の対応をこちらもしたわけね
そんなこんなで、それからしばらくして
対面することになったのよ
そーねぇ、得てしてサイトKでのメンズは
上品ぶってる、コホン、
いえ、常識的な方々ばかりなので
いきなりホテルへしけこむというのではなくて
深夜まで営業している、チェーン店の喫茶店で
まずは顔合わせだけをして
まー、実に拷問のような、それはそれは退屈な
2時間弱を過ごしたわね
だって、そうでしょ?
あれからだって、ちーっとも、やり逃げくんは、
自分のメールでの態度を全然改めやしなかったし
対面して話を盛り上げるほどの
お互いへの情報が依然として
欠如したままだったのだから
尤も、そこにはお互いへの関心も欠如してたわね
対面しての会話もまさにそんな感じ
全て私に丸投げ
これでもまだ、やり逃げくんが
セクシーなメンズだったら
私も存分に大目に見てあげたのよ
メイクラブするまでの我慢だって
だけどさー、実際のやり逃げくんは
身長こそ180㎝あったものの
10代の少年かって思うぐらいに
顔面に、まー、吹き出物が一杯あったのよ!
ヤツの話によると
30過ぎのいいオッサンになっても
相変わらず牛乳が好きで
毎日1リットルの牛乳パックを
一人で空けてしまうって言っていたから
きっと、そのせいね
乳脂肪、過剰摂取してるのよ
だから、顔面の毛穴という毛穴から
乳脂がだだ漏れしまくりなのに
違いないわ!
ヤツのそんな不健康さを
私も無意識に感じていたのか
うーん、いくら魅惑の30代メンズと言えども
コイツとは絶対にヤリたくないわ!!って
思ったわね
でも、私と顔合わせしたメンズは
みんなそうなのだけど
次も是非にと、会いたがるのよ
私は全くその気はなかったのだけど
別れ際に、社交辞令でLINEを交換したわね
だけど、私は既にやり逃げくんに興味なし
向こうは向こうで、相変わらずの
短文で素っ気ないメッセージばかりで
しばらく連絡も途絶えていたのよ
あら、もうこんな時間
早く寝ないと、お肌に響いてしまうわ
この続きは、また明日ね
あ、それはそうと、
トオルはいつ私と逢瀬出来るの?
え、オレと最初に顔合わせしたときも
キデはどこかよそよそしかったな、ですって?
え、よそよそしいどころか、
むしろ冷たかったな、ですって?
まだ根に持っているの?
だって、トオルはのっけから
キデ、好き好きって、
迫って来るものだから
怖かったもん
正直、引いたわ
あー、でも今となっては
あの頃のトオルが懐かしいわ
あの頃のような、熱い返事を待ってるわ、またね
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