おつかれさん
そうそう、昨夜の話の続きね
お酒が少し回って来て、
口が大分滑らかになってきたユーキは
お仕事の色んな話をしてくれたわ
私のマンションは古くて、
宅配ボックスなんてないから
いちいち荷物を職場に送って貰っているのね
先日、1ダースのワインまで
職場に送り付けたこと
少しはしたないかなって思っていたけど
実は、ユーキ的にはとても助かるのだって
それというのも、
彼の給与の3分の2が固定給
残りの3分の1が、
配達した荷物の単価×個数で
計算して支給されるから
ちなみに、個人宅へ配達するのと
法人企業へ配達するのとでは
単価は法人の方が高いらしいの
だから個人宅への配達はしばしば外注の人が
配達することもあるけど
法人企業へは絶対に誤配は許されないって
外注ではなくてこーきのような社員が配達をするのね
だから、おれに会いたければ、法人企業として
集荷、配達を申し込んでくれって
そーいって、宅配ドライバー直通の番号を教えてくれたのよ
余談になるけど、確かに別の宅配会社では
法人企業への配達も外注に任せていたものだから
うちの職場へ、何と立て続けに2度も誤配をして
その後、もー、大変だったことがあったわ
つまり、私個人が頼んだワインも
配達先が法人企業だから単価は高かったということね
誤配や交通事故などの多かったりする宅配員は
ペナルティーとして法人企業への配達を外されて
ひたすら個人宅ばかりへの配達を
させられることもあるって言っていたわ
あと、おせちのような季節物の配達も多いけど
ケーキとアイスクリームだけは
ユーキの宅配会社では絶対に扱わないとも言っていたわ
どーしてもケーキは型崩れを避けられないし
アイスクリームもどーしても溶け出してしまうからですって
あと、ルート的に刑務所への配達が毎日あるのだけど
敢えて毎日1冊ずつ漫画のシリーズものを配達させる受刑者とか
それとか、他の宅配員の間では不愛想だと評判の
30代女性の利用者が、ユーキだけには笑いかけてくれること
他の利用者からドリンクの差し入れは時々もらうことがあっても
私みたいにラインやカカオのIDを書いたメモを渡されたのは
まさに初めてで嬉しかったけど、びっくりもしたってねw
そんな話をしていたら、いつしか時刻は23時近くなっていたわ
だから、私から誘ったのよ
「ねぇ、そろそろお風呂に入らない?」って
だって、一緒にお風呂入りたいって
リクエストしてきたのは
まさにユーキの方だったわけだから
通常なら、ここでいそいそとメンズが
お湯を張りに行ってくれるのだけど
なぜかユーキはそわそわしてる
そんなユーキをチラリと見ると
自分でお湯を張りに行ったわ
お湯を張り終えた後でも、
こーきはまだもじもじしてた
そんなこーきを尻目に
私はさっさと服を脱いだわけだけど
それでも彼はまだもじもじしてる
「どーしたの?」
こーきは薄くてまっ平の腹に手を当てて
先ほどからずっと何かを隠すような仕草をしてる
「…ほら、おれ、ここにあざがあるってゆーたやん」
「あ…」
それで思い出したの
こーきが予めラインでわざわざ、
自分の腹部にあざがあって
それが物凄いコンプレックスで、
私に嫌われたらどーしようかって
伝えてきたこと
本人はかなりのコンプレックスらしいけど、
でもそれで今までセックスの相手から
嫌われたことはないとも書いてあったこと
私がすっかり全裸になって
一人でお先に湯舟に浸かっている間も
信じられないことに、
ユーキはまだ服を脱がずにもじもじしてたの
「どーするつもりなの?
私なら大抵のことでは驚かないと言ったよね?
モンチッチの話、してあげたでしょ?覚えてる?」
あら、もうこんな時間
早く寝ないと、お肌に響いてしまうわ
この続きは、また明日ね
あ、それはそうと、
トオルはいつ私と逢瀬出来るの?
え、この後、この青年は一体どれぐらい
もじもじし続けたのか?ですって?
そーねぇ、実に20分ぐらいかなぁ
え、別にあざの1つぐらい、オレなんか
乳毛ボーボーだぞ、ですって?
うん、知ってる
キデなんかは、長い乳毛がべろーんって
1本生えていたものなw
それをピストン運動の最中に見ちゃって
笑ってしまって萎えた、ですって?
…今さら、それ言う?
ここのみーんな、知ってることだわ
ここのオジンとオバンは、こうやって
あざよりもっと恥ずかしい乳毛が生えてる
だから!!
青年よ、もっと図太く生きろ!
これからもっと大変なことばかり
社会では待ち受けているぞ、ですって?
そうよ、そのとーり!
何か、私も大志を抱きたくなるような、
そんな素敵な返事をちょーだい
待ってるわ、またね
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