さすがに出会い系サイトで夫のことをつぶやくわけにはいかぬので
ここでオリジナルにつぶやきます
(そのつぶやきにしてはすーっかり長くなってしまい、
あ、そーだ、完全なる『ぼやき』になってしまいましたが、笑)
哀しいかな、夫婦お互いの存在感が増すのが
どちらかの入院時に限るだなんて…苦笑
3月26日
あれだけグレーのフェイスタオルだよって念押したのに
なぜよりによってネイビーのヤツを持ってくる?
それは、台所の皿拭き用のヤツじゃねーか
夫よ、あんた毎朝皿洗いしているから知ってるだろーが
…ひょっとしたら、わざとなのか…?
日頃、あたしからないがしろにされていることへの復讐なのか…?
それとも、あたしの面の皮が皿なみに分厚いという洒落なのか…?
それとも、おととしの脳梗塞による高次機能障害の成せる技なのか…?
だけど!!
あたしゃ、面と向かって文句は言いやしないよ
曲がりなりにも黙ってこちらの要求に従ってくれたことだけで
もはやありがたい
言ったところで、驚異の鈍感力のアイツには一切伝わらぬし
そもそも、あいつのその鈍感力に
あたしは随分と救われているところもあるし
だって、そーだろう?
こーんなにおおっぴろげに男遊びしても一切何も言わぬとは
つまりはそー言うことだろう?
あたしゃ、これ以上は怖くて深堀りはしないけどさ
持ちつ持たれつの関係なんだよ
何事もグレーのうちに済ませておく
それぐらいの鈍感力、無関心さが熟年夫婦にはちょーどいい
*****
3月26日
あんなに言づけたのに、夫のヤツが用意した入院必需品には不足ばかり
そーかと思えば、ここ数年、毎年のよーに長期入院してる夫は
もはや今では立派な入院のプロフェッショナルで
あたしが何も言わなくてもそれなりの必需品を揃えて差し入れてくれた
さっすが、怪我の功名ってヤツ?笑
数々の大病を奇跡的にほぼ無傷で乗り越えて来た夫は
あたしが入院&手術の運びになっても、
「大したことないさ」と、ちーっとも動じない
昔のあたしなら、「もっと親身になって心配してよ!」と
甘えたれの泣き言を言っていたかも知れぬが
この夫のスーパーポジティブな姿勢が夫自身を何度も救って来たのを
目の当たりにしているので、今ではむしろそんな姿勢に救われてる
いや、むしろ尊敬さえしてるかも知れぬ
そんでもって、メールでは埒(らち)が明かぬから
電話で直接指示をする
その間、点滴交換しよーとあたしの個室病室まで来ていた看護師は
そっと引き返す
「夫さんに連絡されていたんですね…」
「そーなの、ポヤポヤしてるからメールだけでは伝わらなくてね
でもね、あたしとしては結果に漏れが多かったとしても、
文句も言わずに黙ってこちらの指示に従ってくれる夫には感謝してるのよ
ほら、よくいるじゃない?
文句ばーっかり言って、やたらオラオラと妻にマウント取るだけ取って
ちーっとも役に立たない夫が、ね、笑
うちの夫は何も出来ないけど、
同時に何かとこちらに言って干渉してこないところが、最大の魅力なの」
あたしがこーんなことを妙齢の看護師に何気に言ったのは
彼女からMっ気の匂いを無意識に嗅ぎ取ってしまい
オラオラ系の口先だけ男を選ばずに
あんたも気をつけなさいよっていう、さり気ない老婆心からか
そ、まさにうちのオンマ(韓国語で母親のこと)がそーだった
うちの父親は小心者のくせにやたらオンマに暴力振るって八つ当たりした
そんでもって、そのオンマの腹いせの暴力があたしたち子どもに来たわけで
あたしは、そーんな両親を反面教師にして
父親とは正反対の大人しく黙って真面目で勤勉な男ばかりを夫にしてきた
それは妹にしてもどーやら同じだったみたい、笑
そ、その点では両親に感謝してる、笑
あたしはそんじょそこらのなまっちょろい男だったら
余裕で凌駕してしまうぐらいの、気の強さ、我の強さを持っているから
どーんと大らかか鈍感かの何も言わぬ男がちょーどいい
だから!!
あたしは外でどんなに男遊びを楽しもーと
どんなに外であたしが惚れた腫れたの乱痴気騒ぎを繰り広げよーとも
ひとたび家の玄関をくぐればすーっかりと
切り替え忘れ去ってしまっているし
一切、家庭には持ち込まない
やーっぱり、この夫に勝る男はいやしない
そーそ、あたしたち夫婦は結婚当初の約束を貫いて
未だに同衾してるもんねー
夫に性病を一切うつしたくないあたしは夫とは永らくご無沙汰にしてるけど
あたしの体調が悪いときや、肌寒い冬や、みょーに人肌恋しー夜なんかは
抱き枕のくまさんよろしく
滑らかなシルクのパジャマにくるまれた、夫の分厚い背中を
バックハグして顔をすりすりしながら寝入るのがお気に入り
そーやったら、なぜか安心して自然と寝落ちしてしまう
この寝つきの悪過ぎるあたしが!笑
「もしもあたしたち夫婦に赤子がいたとしたら
夫はこんなふーにして、背中で赤子をおぶったりしたのかな…?」
と思いを馳せるのが好き
おぉ、まるであたしがその赤子そのものにでもなってしまったかのよう!
そして、人知れずあたしはつぶやく
「少しでも長生きしてね…」
そ、がんステージⅣの夫との関係は有限の関係だから、ね
今のところ、夫はあたしのために不死身のスーパーマンよろしく
何度も奇跡の生還を果たしてくれているけど
そ、あたしはあたしなりに夫に甘え、夫を愛してる
夫よ、ありがとう
あなたがでーんと構えてくれているから、あたしも好き勝手出来ています
お互い照れくさくて、今更そーんなことなど言えやしないけど、ね、笑
コメント