ホテルの部屋に入り、あたしはテーブルに置いてあった
新しいメンバーズカードを取ると、
それを部屋にある自動精算機のリーダーに通したわ
この部屋はタツノスケ師範と死ぬほどたくさん来て
割引ポイントをそれなりに稼いでいる筈だけど
肝心のカードはアイツが持っているのよ！
フン、そー簡単に新しい相手なんてアイツに見つかりやしないし
あたしよりも感傷的なアイツはきっとこのホテルを避けるはず
余程、次のセフレがあたしみたいな鏡プレイ好きでない限りはね
だから、最後にカードを取り上げて置けば良かったわ！
全く、宝の持ち腐れってヤツよ！
ま、そんなことをついつい憎々しげに一瞬考えた後で、
あたしもこーしてさっと新しいカードを作ったのよ
それから、あたしはお泊り逢瀬の時には、
決してホテルの冷蔵庫には置かれていない
あたしの好きなプレモルの缶ビール数本と、
ハーフボトルのスパークリングワインを持参するので、
それを忘れないうちにホテル備え付けの冷蔵庫に入れたの
それから、チップスターとこれは悔しいかな、
タツノスケ師範から教えて貰い、今ではすっかりハマってしまい
夫に買い物させて自宅に常備してある、
するめげそをつまみとして持参するのよ
そんでもって、相手のメンズには、紙コップ、入浴剤、炭酸水
あたしは逢瀬中は基本的にそんなに食べないので
だって、それはメイクラブの感度に支障が出るからね
あたし用には、鮭かたらこのおにぎりを数個買ってもらうのよ
それに、哀しいかな、ここのホテルはほとんど食事メニューがなかったしね
うふふ、ね、まるで、ハイキングか遠足に行くみたいな感じでしょ？
これもちょっぴり楽しー、お泊り逢瀬のさり気ない醍醐味の1つよ
そーそ、差し入れしてくれた、紙コップにも
メンズのセンスってば何気に表れるわね
だって、レイジってば、たかが紙コップと侮ることなかれ、
キラキラと色の付いた、カラフルなプラスチックの
使い捨てコップを買ってきてくれたの
うふふ、こんな気遣いが嬉しーし、
派手好きなあたしとしては何だか気分も上がるじゃないの
それに引き換え、一方、タツノスケ師範は何の色気もない味気ない、
ほらよくある、白色のただの紙コップだったけどね
それから、あたし以上に小食だった、
タツノスケ師範は食料の差し入れも少な目だったけど
大食漢のレイジってば、大量のおにぎり、サンドイッチ、
生春巻き、サラダ…などなどたくさん差し入れしてくれて
「これって、一体何名分の宴会かしらん、食べきれるのかしらん？」って
人知れず心配してしまったけど、全くの杞憂だったわね
だって、モリモリとレイジが気持ちよく平らげてくれたわけだから
そーそ、ちなみにあたしは、メンズと食事をするなら、
断然、メイクラブの後で楽しみたい派かな
やっぱり、メイクラブの前はなるべく空腹に近い形にして
感度も血流もメイクラブ万全の態勢に整えておきたいじゃない？
だから！！
あたしから食事に誘われるメンズは、
「食事の後にムフフ♡なことがあるかな」って
そんなゲスい期待しても全くのムダ、無意味よ
むしろ、「俺はセフレトライアルの受験資格さえないと言うことか」
ってことぐらい察しなさいよね
ほら、そこのキミ、あたしに食事に誘われたからって
一人で勝手に舞い上がっているんじゃないわよ
ワンチャンなんてあるわけないでしょ
そーよ、そこのキミのことね
あたしが寝てみたいとロックオンしたメンズにはまず食事とか言う
そんな遠回りのムダなことは一切しません！
ストレートに「メイクラブしない？」と誘います
そんでもって、メイクラブの後は、何だかんだ言ったって
全身運動をした後だから、やたらお腹空くのよねー
その爽やかな空腹と、裸を見せ合ったという安心、信頼感で
たとえその時が初対面だったとしても、
食事も今更緊張することなく和やかに楽しめたりするものよ
…あら、あたしったら、せっかくレイジと
思わせぶりぶりにホテルに入ったのに
ここまで、まーったく色気のない、食事やお酒の話ばかり…おほほ
ま、いいじゃないのー！笑
あたしは巷に溢れる、不倫モノや官能モノのお話しでは
決して描かれやしない些末でちまちまとした、
実に取るに足らない、そんな現実のエピソードも
敢えてたくさん拾い上げて盛り込むわよー
だって、キレイごとばかり書いた男女の営みを読んだって、つまんないでしょ？
それに、情けなく一杯バタバタして、泣きべそかいて、痛い思いも性懲りもなくして
そんでもって、それも全部込みで最後に
「あー、楽しかった♪ありがとさん♡」って
せっかく出会えたメンズに感謝して終わらせるのがあたしの流儀だしね
「あたしは今後も、些末で時として醜い現実のあたしの迷走っぷりも
余すことなくここで書ききります！」
と改めて声高らかに宣言したところで
この続きはまた次回！
またね～
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