キデはカイに更に返事をした
確かにこのカイの言わんとするところも
なかなか分からないでもないと思いながら
確かに、学歴によって生じる、基礎学力の差を
何度か、サイトでメンズとのやり取りを通して
感じたこともあったからだ
尤も、キデはサイトでは、人として最低限の
礼儀、敬意を示す相手なら広く受け入れたし
相手の学歴などほとんど問題視してはいなかったのだが
「こんにちは
なかなかストレートなお返事でいいですね
好感持てました
彼はいましたが、先日お別れしましたね
彼の仕事が激務過ぎて、
思うように会えなくなり、お別れしました
カイさんは、どうでしたか？」
平日の昼下がりであったが、
それから程なくしてカイから返事が来た
「お返事ありがとうございます。
好感持っていただけて嬉しいです。
恋人がいると毎日充実して楽しいですが、
いなくなると寂しくなりませんか？
キデさんは、恋愛してたいタイプ
ではないのですか？
こちらは、毎日の仕事のエネルギーのためにも、
仲良くしてもらえる人が
いたらいいなと思ってます。
2年ほど付き合った彼女がいましたが、
半年ほど前に別れました。
なので、寂しい毎日です…
仲良くなれたら嬉しく思います。」
キデはこのメールを読んで咄嗟に思ったことは、
女性はみな、恋愛をしたがっているとの
ステレオタイプで判断されてるという
違和感であった
そして、このカイというメンズの言うところの
「恋愛」というのは、恐らく１対１のことを
言うのだろう
初代第３愛人のツヨシとの不毛な関係から
苦肉の策として編み出した
「欲望成就方法の分散化」から
Kidechan’s men なる愛人、セフレ集団が
結成されたことをキデは思い
はてさてこのカイという男はその存在を
伝えると一体どんな反応をしめすだろうかと
キデは思いあぐねた
このKidechan’s men の存在を明かすことは
相手のメンズの考えの柔軟さ、嫉妬深さを測る、
一種の試金石のような側面もあった
でも、いいわ、反応を見てみましょう
拒否感を示したら、それまでの縁だったということよ
「こんばんは
返事が遅くなってごめんなさい
私は恋愛至上主義ではないですね
広くいろんな人と交流したいって感じです
特に彼氏とか特定せずに、
決まった数名と交流する感じですね
みんな顔合わせこそしていませんが、
お互いに存在を、私を介して知っていますし
私はこんなタイプですが、
カイさんが求めるタイプとなるでしょうか？」
このカイという男は、
プロフにも書かれてあったとおり
確かにマメな男らしかった
それから程なくして、返事が来た
「こんばんは。
飲み会の帰りです。
なるほど、広く交流って感じなんですね。
こちらは、相手が広く交流するのは
構いませんが、自分とは恋人っぽく
過ごしてくえる人がいいなと思っています。
なので、キデさんが、特定でなくとも
そのように関わってくださるならタイプです。
そもそもとても興味深い人なので笑」
なるほど、Kidechan’s men の存在は
明かしても受け入れてくれそうだ
しかし、先のメールから恋愛とか恋人とかの
言葉がやたら出てくるのが少し気になった
これまでにたくさんのメンズとやり取りを
してきたのだが、ここまで盛んに恋愛を
唱えるメンズに未だかつて出会ったことが
なかったからだ
相当な寂しがりやのメンズなのだろうか
だとしたら、私には少し重い相手かも知れない
そもそも、まだそんなに
やり取りさえもしてもいないのに
私のことを興味深い人って、
一体どういうことなのか？
しかし、このカイからのメールには
どこか不思議な吸引力のようなものがあって
ついついキデも返事を返さずにはいられなかった
「こんばんは
カイさんの言う、恋人っぽいっていうのは
具体的にどんな感じですか？
私はあっさりとしたタイプなので、
どうかしら…？（汗）」
また程なくして、カイから返事が来ていた
「こんばんは！
恋人っぽい…
うーん、好きという気持ちもありつつ、
イチャイチャもあるという感じ、ですかね笑
会ってお話だけでは、やはり寂しいなと…
逆に、キデさんのあっさりというのは、
どのようなイメージですか？（^^）」
キデがカイのメールを確認したのは翌朝だった
なるほど、ストレートに自分の要求を
伝えているけど、露骨ではなくむしろ
そこはかとなく品さえも感じられる
大抵のメンズは自分の真の欲望など
上滑りな言葉のオブラートに包み込んで
白々しいほど隠すものなのに
このカイという男は正直に
しかも嫌味なく自分の本音を伝えてる
確かに、そこにカイの高い知性も感じられた
サイトでこれまでに出会ったことのない
タイプのメンズかも知れないとキデは思った
気が付いたら、キデはKidechan’s men とは
名乗らぬものの、既にそのコンセプトについて
しっかりとカイに説明していたのだった
「おはようございます
さすが、カウンセラーのお仕事を
されているだけあって、聞き上手ですねｗ
私は数名のメンズに自分の欲望を
分散化して成就させてる感じですかね
たとえば、プラトニックデートだけを
楽しむメンズ、趣味の話だけを
楽しむメンズ、その他にはセフレ
あと、一番お気に入りのメンズとは、
前にも申し上げた通り、
先日別れたばかりですしね
そんな感じです
あまりベタベタするのは
得意じゃないかも知れません」
to be continued…
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