ケースケ、おつかれさん
昨日の話の続きね
トオルにクビを宣告せざるを得ない状況に
どーやって追い込まれたのか
順を追って説明するわね
おととい、私は本来ならこの記事とは違う、
そーね、これが記事Bだとしたら、
日曜の朝に公開した話の続きを書いていた
記事Aを執筆している最中のことだったわ
大体私は、一旦記事を執筆し始めると
そのまま頭の中で自然と記事の構成が浮かぶし
途切れることなく言葉が次から次へと
ぽんぽん浮かぶので、
まるで口述筆記でもさせられているよーな
そんな感覚でさらさらと書き上げてしまうのよ
そーね、そーやって書いている時の感覚は
まるで誰かに書かされているって感じね
きっと、役割と使命を守護天使から与えられて
書かされているのでしょーよ
だけど!!
おとといに限っては、
まさにトオルと初めて出会った頃の
話を書いていた筈だったけど
何度書き直しても、違和感ばかりが先立って
「違う、違う、違う!こんなのじゃない!
あいつとの出会いのことは今更書くな!
そーいう記事は求められていない
誰が読んでもつまらない」
って、声ばかりが、かまびすしく聞こえるの
そーね、あれは今にして思えば、
やっぱり守護天使の声だったわね
結局、私は記事Aを完成させることができずに
この記事Bだけはすらすらと書き上げてしまったわけだし
でも、私は翌朝の記事公開締切ばかりが気になって
その声を聞かぬふりして書き続けようとした
そーしたら、今度は得も言われぬ体のだるさに襲われて
それ以上執筆が出来なくなってしまって
そのまま寝込んでしまった
それでも大体、数時間仮眠すれば体調は回復するのだけど
今回ばかりはどーしても回復しない
そーね、不思議だったのは、月曜のお昼に公開予定の
ゆーやに宛てての記事を執筆しているときは
さっきまでの体の不調が嘘みたいに
心身ともに軽やかに回復して
むしろ弾む気持ちでさえいたの
あ、そーそ、守護天使は、
どーやらゆーやのことがお気に入りね
何かと、ゆーやが、ゆーやがって、うるさいの
だから、別れた後でも、こーして
私のブログ記事で名前が未だによく出てくるわけだし
あら、すっかり体調が回復したのかしらんって
再びトオルに関しての記事を執筆し始めた途端
またもや謎の体調不良に襲われ、寝込んでしまった
それでも負けず嫌いの私は何とかへばりついてでも
トオルに関しての記事を仕上げようとしたわ
その上で、トオルに緊急取材したい
項目がいくつか出て来たから
トオルにダメ元でLINEを送ってみたの
そーしたらね、そんな時に限って、
やたらトオルとLINEが通じるのよ
いつになく珍しく、
私たちはLINEのラリーをすることが出来たの
…うふふ、これも今にして思えば、
守護天使の企みね
トオルとLINEでやり取りをしていたら、
また私の中でかまびすしく声が聞こえて来たのよ
そーね、まるで私をそそのかすよーにね
「訊け、訊け、訊いてみろ!」
私には何を訊けと言われているのか、
よく分かっていたわ
でも、それだけは絶対に訊けない!
訊いちゃいけない!
それを訊いたら、一体どーいう結果になってしまうのか
私には痛いほどよく分かっていたから
だから、私も自分の持ち得る力で必死に抵抗したわ
…でも、相手は高次元のハイヤーセルフだから
所詮私なんかで太刀打ち出来る相手ではないでしょ?
あー、もー、ダメだって思ったけど、
気が付けばすらすらとLINEに打ち込んでいたわね
「…それじゃ、私が、会えないのなら、
別れましょって言ったら、どーする?」
トオルからの返事をわざわざ待たなくても、
トオルがどのよーな返事を寄越すのか
私にはありありと思い描くことが出来たわ
そして、実際にトオルから返事が来たの
…うふふ、いつもなら既読スルーばかりなのに
こんな時に限って、珍しく返事が来るのよ
「そうだね
ますます仕事量も多くなって
時間が取れないのは改善される可能性も少ないので
会えないならば別れましょうと言われたら
受け入れるよ」
「分かったわ、別れるかどうかは考えてみるわ」
「結局、私のために、改善するつもりはないってことよね」
そこで憎たらしく、いつもの既読スルーに戻ったの
何か言い訳の1つでも寄越してくれたら、
まだ可愛げがあったのにね
やってしまったと思ったけど、
あぁ、もう引き返せないわね
私も段々と腹を決めなければと
万感の想いが物凄い勢いでぐるぐると渦巻く中
静かに思ったのよ
それからまたもや声が聞こえて来たの
「大体、『情が深すぎる男1』の時は
お前にあの男の本質を見せてやるために
孤独、不安という負の想念を憑依させてやったのに
それで一旦はあの男の本質を理解した筈だったのに
聞かん坊のお前は、むしろあの男を擁護してしまった」
それから、さらに畳みかけるかのよーに、
ゆーやの言葉も聞こえて来たの
「トオル兄さんは、ちょっと酷いと思います
確かに仕事で忙しいのは理解出来るけれど
それでももっと最低限、愛人としての礼儀を尽くすべきだ
最低限、毎日LINEの返事を一言でも返してあげるとか
仕事が忙しいなら忙しいなりに何か出来たはずだ
それさえもしないとは、キデさんに対して失礼すぎる」
…分かっていたの、守護天使が言うことも
ゆーやが言うことも
だけど、トオルみたいに周りの人々を犠牲にしながらも
自分の欲望のままに仕事三昧に明け暮れる
そして嫉妬や性欲を感じた時にだけ私に会いに来る
それはそれで、他人に遠慮して本当の自分を出せない人が多い中
己の欲望に忠実な人間を、私は基本的に面白く思ってるし、
むしろそこまで何の迷いもないトオルの図々しさ、
自由さに感服さえしていたから
そりゃあ、少しは寂しいとも思ったけど
私は私の意思に基づいて
そんなトオルを受け入れていたわけよ
だけど、守護天使が潮時だと騒いでる
あー、これまでと違った視点でトオルを
見つめ直して見ろってことなのねって
もー、すっかり観念して守護天使からの
メッセージを今回は受け入れたわ
そーそ、ツヨシにクビを申し渡したのは
いつまで経っても私に会おうとしない姿勢に
私が単に愛想を尽かしてしまったせいだったけど
元・第5愛人のしょーたについては
「アイツはオーラの色が邪悪過ぎる」
って、またもや守護天使が騒いで
私と彼を会えないようにしてしまってね
それで私が彼にクビを申し渡さざるを得なかったの
ちょーど、今回のトオルみたいにね
…そーしたらね、そこで本当に憑き物が落ちたのでしょーね
この間、ずっと私が不自由にもトオルに執着していた
その理由さえも分かってしまったのよ
to be continued…
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