ゆーや、おつかれさん
さ、今夜も、愛人帝王学の
レクチャー始めるわよ
そうそう、昨夜はカエル男🐸
の説明で終わってしまったわね
私はカエル男🐸の写真を見て
好き勝手にカエル🐸とかって
こっそり呼んだりしていたけど
彼は余程サイト登録女性の扱いに慣れているのか
特に積極的にこちらの写真を求めて来ることもなかったの
それは写真嫌いな私にとって有難いことでもあったわ
だから、彼はこちらの顔など全く知らないわけ
私は先にホテルでチェックインを済ませて
部屋で待機して、カエル男🐸が
近くまで来たら迎えに行くことにしたの
私は一応、彼の顔を曲がりなりにも
分かっていたわけだし
公務員の彼は定時でさっさと上がると、
一旦帰宅して私服に着替えて
いそいそとやって来たというわけよ
彼のことはすぐに分かったわ
だって、プロフの写真どおりに、
ぺったんこのアマガエル🐸
の顔そのままだったもの
おぉ、だけど!
ダサい…いいえ、服装に無頓着なメンズは
夏以外の季節にはネルシャツを着がちね!
何もネルシャツが悪いとは言ってはいないのよ
ただ、自分の顔の個性も考えずに
安易にチェックのネルシャツに逃げがちなのよ
まさにこのカエル男🐸もそーだったわね
こちらはデート服鉄板の、
体のラインを露骨に拾わない程度に
フィットしたニットと
レースのタイトスカートでお出迎えしたら
カエル男🐸は急に
自分の無頓着な服装を恥じたのか
それに対して何かごにょごにょと
言い訳していたわね
でも服装よりも気になったのは、
始終震えてる彼の手だったわ
最初は私と初めて対面しててっきり
緊張しているものだと思っていたの
だけどその後二人で一緒に
お酒を飲んで談笑している最中も
ずっと変わらずに小刻みに震える彼の手を見て
あー、そっか、
鬱病の薬の副作用ねって気付いたわ
だって私の友人で、
鬱病で薬を服用している彼女にも
まさに同じだったことがあったから
実際、彼はまだ通院中で最近薬の量を
減らしたばかりとも教えてくれたし
そんな彼だったけど、予め私たちのために
予約してくれた居酒屋は
その野暮ったい服装を裏切って
決して大衆居酒屋のチェーン店ではなく
雰囲気のある個人経営のお店だったのには
好感を持ちながら驚かされたわ
メンズのお仕事話を聞くのが好きな私は
彼らにその話をせがんだときの
反応が2種類あって、
1つ目は身バレ等を警戒しているのか
言葉を濁して全く話してくれない人と
2つ目はよくぞ関心を持ってくれたって
喜んで積極的に話をしてくれる人
に分かれるわね
尤も後者の方が圧倒的に少なかったりするのだけど
まさにカエル男🐸は後者のタイプであって
実際に会った彼はメールほど
饒舌なタイプではなかったけれど
でも彼のお仕事の話で
愉快に会食することが出来たわ
昨夜のレクチャーで私が
カエル男🐸について
あんなに事細かに語れたのも、
まさにこの時に仕入れた話だったからよ
尤も食事も最後の辺になると、
アルコールが随分と回ってきたせいもあるのか
彼の話はやや仕事の愚痴に
走りがちではあったけれど
それから2人でホテルへ戻って、
深夜過ぎても、世代的に近いせいか
まどろみもせずに実に他愛ない話で盛り上がったわ
あたかもパジャマパーティーみたいにね
でもやがてどーしようもない眠気の波に襲われたとき
いよいよ寝ようかという話になって
2人してベッドで横たわったの
私はうとうとしかけていたのだけど、
私の隣でまんじりともせずに
私をじっと見つめる彼に気付いて、
彼に思わず訊いたわね
「…私としたいの?」
うふふ、愚問ってヤツよね
だって私は事前に彼に、
どっちに転んでもいいように、
「コンドームだけ用意しておいてね」
って伝えてあったわけだし
そりゃあ、当然それを使える方を、
フツー、男なら考えて期待するわよね
私はしてもしなくても
どちらでもいい気分だったから
それなら彼に合わせて
してみようかなって応じたわけよ
就寝のために既に消灯した
薄暗い部屋の中での行為であったし
かなり前のことだったような気もして
カエル男🐸とのメイクラブが
どんなものだったのか
正直そんなに覚えていやしないの
それはきっと、可もなく不可もなし
だったせいもあるでしょうね
ただ1つ覚えているのは、
彼が正常位で挿入して
彼が言うにはいつになく
緊張しているせいだとのことだったけど
ちょっと長めのピストン運動の最中で
私ももう少しで中イキを
掴み取れそうなそうでないような
実にもどかしい感覚に襲われているうちに
彼が果ててしまったということかしら
翌朝も2人で仲良くホテルで朝食を食べて
…ま、ここまでは悪くはなかったのよ
2人でホテルを出て、彼の車で特に目的地もなく
ドライブをしているときのことだったわ
「後ろの車にぴったりとつけられて煽られてる」
って、カエル男🐸は突然言ったかと思うと
走行中にも拘わらず、
彼はサイドミラーをぴたりと
畳んでしまったの
「え、そーなの?」
私も確認して見ようかと思ったけど、
サイドミラーは既に畳まれていたし
仕方ないから目視で背後の車を確認したものの
後継車のドライバーは別に
こちらを意識して見ているような感じもなく
普通に穏やかな感じで
運転しているように見えたわ
やがてその後継車が左折していなくなると
カエル男🐸は再びサイドミラーを開いたの
それから程なくして再びカエル男🐸は
「後ろの車にぴったりとつけられて煽られてる」と言うと
またもやサイドミラーを
ぴたりと畳んでしまったわね
私が呆気に取られていると、彼は訊かれてもいないのに
こう弁解するように言ったのよ
「自分に脅威を与えるものはとにかく遠避けろって
医者からも言われているんだよね」
きっとこれまでにもこんなことを繰り返してきて
同乗者に非難でもされたことがあったのでしょうよ
確かにその時の彼はパラノイアめいていたわ
走行中にも拘わらず、サイドミラーは閉じたり開いたり
そしてカエル男🐸は運転走行よりも
絶えず後継車ばかりに気を取られてる
どー考えても、
正常な状況ではないでしょ
私は内心命の危機を感じながらも
カエル男🐸をとにかく
これ以上刺激してはならないと
黙り込んだまま、早くどこかで停車させて
彼の気持ちを落ち着かせなければと考えていたわ
それから、なるほどこんな
パラノイア男とは誰とも
付き合いたがらないわねとも
そうそう、その逢瀬の後から、
彼はLINEでも一転して口調が変わって
やたら私にダメ出しをして
説教めいたことを言うようになったの
「キデはあのホテルで宿泊した時に
自分の私物の扱いがぞんざいだった」とか
「キデはコロコロと気が変わって
余りに気紛れ過ぎて、それはどうかと思う」とか
そして決定的だったのは
「キデ姫のためにサイトを退会する」って
こちらからお願いしたわけでもないのに
自らそう宣言したにもかかわらず
毎晩欠かさず23時から25時までの間は
しっかりとサイトで
他の女性を物色していたことよ
別にサイトを利用し続けるのは
こちらも気にしていていなかったけど
自ら退会すると宣言したにもかかわらず
それをそもそも端から守る気もなかったという
彼のその、口先だけで
私の歓心を買おうとした姿勢に
こちらは心底引いてしまって
カエル男🐸にはっきりと
「もうこれ以上、お付き合いできません」
とだけ伝えると、
彼をサイトからもLINEからもブロックして
関係を終わらせてしまったというわけよ
大体、私のことを
「キデ姫」と呼ぶ輩に
まともな男が1人も
いた試しなどないわね
あら、もうこんな時間
今日のレクチャーはここまでよ
この続きは、また明日ね
しっかりと学んで、
素敵な愛人さんになってね♡
間違っても、トオルみたいな
ポンコツ愛人になってしまってはダメよ
それでは、またね〜
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