ゆーや、おつかれさん
さ、今夜も、愛人帝王学の
レクチャー始めるわよ
そうそう、なかなか私と会おうとしない、
頑固王子のツヨシから、
やっと念願の「会おうよ♪」って言われて
嬉しー!ってところで終わってたわよね?
え、ボクはツヨシ兄さんとの話は
感動的な盛り上がりを見せて
今日で完結する!!
のだと思ってる、ですって?
…うふふ、まだまだ青いわね
大体、足を踏み入れるところ、
これでもか!と言わんばかりに
数々のカオスを巻き起こす、私よ?
これは飽くまで序章にしか過ぎないわね
え、今でも十分にカオス過ぎるよ、ですって?
ま、黙って聞きなさい
ツヨシに会おうって誘われた私だけど、
直ぐにその誘いの内容を聞いて、
かなりガッカリして、
その場で崩れ落ちてしまったぐらいよ
それというのも、ツヨシは一方的に
日にちと時間と会うホテルさえも
指定してきたのだけど
何と、その日は自分の健康診断の前日で
職場が用意したホテルに宿泊するから
そこへ来いという指示だったの
それならお泊りでも出来るのかしらと思ったら
夕方から23時までは近所にある自宅に
奥方の機嫌を取りに一旦帰宅
しなきゃならないから
私にはチェックインを済ませた
15時から17時ぐらいまでしか会えないと言われたの
そのホテルは、私鉄の駅やバス停から随分離れた
辺鄙な場所にあるホテルで
私はわずか2時間ぐらいの逢瀬のために
その日の仕事を放り出して私鉄とタクシーを乗り換えて
わざわざ出向かわなくてはならなかったの
行きはそれで良かったとしても、
何せ田舎なものだから、帰りはタクシー飛ばしても
帰宅するのにちょうどいい私鉄やバスに
上手く乗り換え出来るかどうか微妙な感じだったわ
上手く乗り換え出来ないとなると、カフェも何もない
寒空の下で次の便を1時間以上待たなくてはならない
可能性もあったわけよ
どうやらマイカーを奥方にすっかり渡してしまっている
ツヨシはどこへ行くにも自転車オンリーだったから
当然、最寄りの駅まで私を
運んでくれることはなかったしね
誘われた当初は、念願叶ったと舞い上がって、
会いに行く!って簡単に
返事をしてしまっていた私だけど
ちょっと冷静になって考えて見ると、
私だけがやたらしんどい、
損してるプランだなって思えて来たの
人一倍、身支度に時間がかかる私の、
逢瀬を終えた後の段取りの
時間を差し引いて考えると
正味メイクラブが出来るのは
1時間もないかもしれないなんてね
だから、折角私も色んな準備をして
会いに行くのだから
「せめてその日だけは一時帰宅もせずに
私とずっと一緒にいて、
私も宿泊してもいい?」って訊いたら
「一時帰宅はこれまでも10年以上
行ってきているルーティンだし
今更ここへきてそれを変えてしまうと、
妻に疑われかねないから
それはダメだ、出来ない」
とキッパリと断られてしまったの
確かに一方的にツヨシに惚れてる、
立場の弱い私だったけど
やっぱりそんな私でさえ受け入れいられない、
不平等過ぎる提案だったのよ
だから、私もしばらくどうしようかって悩んだ挙句、
ツヨシの提案を断ってしまったの
そーしたら、
せっかく自分が逢瀬の提案をしてやったのだから
断らないだろうと高を括っていたツヨシは、
思いがけなく私から断られて、
彼のプライドは傷つけられたのでしょうね
それからしばらくして、
私にこんなLINEを送って来たのよ
「…2人の関係を見直してみたい
もちろん、キデのことを嫌いになったわけじゃない
だからと言って、
別れて!と言っているわけでもないんだけど
正直言って、ぐいぐいと来る、
キデを最近はずっと負担に思っていたんだ
ハッキリ言って、キデみたいな
積極的な女性は初めてだったから
何分戸惑うことも多くて、それでも
出会った頃は仕事も落ち着いていたから
まだ気持ちに余裕があったけど
最近は段々と仕事も忙しくなってきてね
そんなキデの気持ちに応えきれない自分も
いたりなんかして
今回、キデに逢瀬の提案を断られたことで
今回、自分の気持ちを見直す
いい機会になったと思う
それから、
キデへのLINEも結構負担だったんだ」
逢瀬の提案を私に断られたその怒りを
直接ぶつけて来るわけではなく
私の人格否定というか、
そもそも二人の関係自体が私のせいで
危ぶまれているとさえ書かれてあったのよ
そもそも、ツヨシが私の想いに
一度たりとも満足に
応えてくれたことなんてあった?
しかも、私へのLINEも負担って
あんなに頻繁にLINEを寄越して来たのは
私から頼んだことじゃなくて
自分で好きでしてきたことなのにね
私は、このツヨシといい、トオルといい、
ダメな男ばかりになぜか
執着するという性質があるのかもね
こんな酷いLINEを貰っておきながら
ツヨシに対して不思議なことに
全然怒りは湧かなかったの
むしろ、ここでもまた、
「このツヨシを手放してはならない」
って思ったわ
ツヨシの言葉は、裏を返せば、
私の言葉そのものだったわけだし
「あんたが全く持って
煮え切らない男だからこそ
私はぐいぐいと行かざるを得なかったし
私ばかりがこーして1人で
奮闘している状況に
私だってしんどい思いしているわよ!
それから、LINEだって何も
私が頼んだことでもないし
むしろ、あんなクソつまらんLINEに
毎回返事をしなくてはならない、
私の苦痛のことを考えて見なさいよ!」
ってね
でもやっぱり私はツヨシを
手放したくなかったし
そのためには、
ツヨシと同じ方向を見てはダメ
敢えてツヨシの言葉を
肯定的に解釈し直すことにしたのよ
「ツヨシが今そう感じている気持ちは
何一つ悪いことじゃないよ、
むしろ、私たちの
今後の関係改善のためにも
いい問題提起でさえあると思う」って
徹底してツヨシの迷う心を
評価して褒めちぎったわね
その甲斐あってか、
ツヨシはまた私と関係を続けたいと
言って来てくれたけど、
実はその頃には
私はこう思うようになっていたの
「ツヨシのことは好きだけど
思う存分メイクラブを堪能したいという
私のこの欲望をツヨシは叶えてくれそうにもない
そして私はツヨシの妻でもなければ
ツヨシの彼女でさえもない
ただ私が一方的に好きで
ツヨシにしがみついているだけのこと
だからツヨシに私が貞節である必要もない
それからツヨシだけに
私の欲望を叶えて貰おうと思うこともない
ツヨシに執着するその心はそのままに
他のメンズに自分の欲望を
分散化して叶えればよい」
そう思うようになってきて、
ツヨシが利用していないサイトW、Hで
私は再び積極的に適当なメンズを
物色するようになったわね
それから、おぉ、忘れてならないのは、
ここでようやく、
第2愛人メンズBのヒロシの登場よ
ちょうどその頃に、東京出張の話があって
うちの職場での会議にも
役員として参加しているヒロシを
是非とも東京出張へ参加させて
東京という、私たちにとって生活圏外の地、
非日常での空間なら私も長年抑え続けていた
ヒロシへの欲望を素直に
解放出来るような気がしたし
誘惑したら同じようにアイツも
何の気負いもてらいもなく
素直に自分の欲望に従って
誘いに乗って来るに違いない
いいえ、
「何が何でも誘惑してメイクラブへと
こぎつけてやる!」って
日頃ツヨシとの果たせなかった
思い、欲望をヒロシによって
遂げようとする自分がいたわけよ
その詳しい話は、文字数の都合で今日は
厳しいから、明日にすることにするわね
私の全ブログ記事を2巡して読んだ
ゆーやにとっては既に知った話で
特に目新しいことはないかも知れないけど
その詳細についてもっと踏み込んで
お話しするつもりよ
だって、ヒロシを誘惑した時点で、
私の中では確かにKidechan’s men が
産声を上げた瞬間だったわけだしね
「欲望成就方法の分散化」
この考え方が、後のKidechan’s men 結成への
重要かつ基本的なコンセプトとなるわけよ
あら、もうこんな時間
今日のレクチャーはここまでよ
この続きは、また明日ね
しっかりと学んで、
素敵な愛人さんになってね♡
間違っても、トオルみたいな
ポンコツ愛人になってしまってはダメよ
それでは、またね〜
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