PR

多くを語らぬ男~完結編~

真夜中に思いがけないLINEの受信音で

 

一体誰からって、ビックリして確認して見たら

 

その相手が、たった今、

 

私が最後のメッセージを送ったばかりの

 

マコトからだと知って更に驚いてしまったわ

 

あら、別れの言葉を寄越してくる

 

そんな珍しく律儀なメンズだったのかしらんって

 

そう思いながら画面を開いて見たの

 

「えー、そうじゃないよ

 

月末サプライズでそっち行けたらと思ってた(泣)

 

キデのこと特別だと思ってる」

 

おぉ、マコト、あなたっていう男は!

 

思いがけないあなたからのLINE

 

ドライアイの筈の私の瞳から一筋の涙が流れたのよ

 

おぉ、マコト、あなたは、私と最初に出会った日に

 

自分で言った約束を守ろうとしてくれていたのね

 

私に会いに行くだなんて、

 

他愛ない社交辞令だとばかり思っていたの

 

まさかこんなに早くあなたがそれを

 

実現しようとしてくれていただなんて

 

こちらは全然思いつきもしなかったわ

 

おぉ、マコト、性格も何もかも違う私たちは

 

ただお互いへの愛情表現が違っていただけで

 

お互いを求め合う気持ちは同じだったということね

 

そうね、あなたは私に優しい愛の言葉どころか

 

2言目には言葉なんて要らないって言って

 

いつでもこちらをやきもきさせてしまうほどに

 

多くを語らぬ男だけど

 

それでも、夫のことで弱り切っていた私に

 

電話を欠かさなかったこととか

 

こうして約束を守ってわざわざ私に

 

会いに来ようとしてくれていたりだとか

 

言葉じゃなくて行動で雄弁に

 

私への愛を証明してくれる男なのねと気付いたの

 

それから、引き寄せたわねって思いもしたわ

 

だって、マコトに別れのメッセージを書いている時

 

「イヤだイヤだイヤだイヤだ…絶対にイヤだ!

 

マコトと別れたくない、離れたくない、失いたくない…」

 

って、無数の小さな声が私の中で上がるのを確かに聞いたもの

 

まるで私の全細胞が1つ1つ抗議の声を上げているような感じだったわ

 

だから、きっとその無数の小さな声の主たちがそうさせまいとして

 

マコトを引き寄せたのねって直感的にそう思ったの

 

だって、そうでもないと、私が最後のメッセージを送って

 

わずか4分後に返事だなんてあり得ないでしょ

 

だって、数日間も既読スルーで

 

私のことを放置していた彼が、よ?

 

思えば、マコトとは何だか不思議な縁で

 

出会いの時でさえ何度も私がマコトを選ばず、

 

他のメンズを選んだとしても

 

その都度、何かしらの軌道修正が入って

 

気が付けば最終的には

 

マコトを選ぶようになっていたもの

 

既に私たちの縁は始まっていたのね

 

運命が、

 

「この男と思う存分楽しめ、味わい尽くせ、

 

たくさん感じろ、そしてそこからたくさん学べ!」

 

って私の背中を後押ししてる

 

マコト、あなたも私も性格は全然違うけど

 

でもただ1つ、同じところがあるわ

 

それは、2人とも自分の直感に従って行動をするというところよ

 

何も恐れることなく、素直に自分の直感に従って行動するところ

 

どうやら、マコト、あなたも私もその不思議な縁を直感で感じ取って

 

お互い引き寄せられるかのように行動しているのね

 

だからこそ、マコト、あなただって待ち合わせ場所で

 

私を一目見た時から、何か特別なものを感じてくれたのでしょ?

 

私だって、ほぼ同じ瞬間に同じように

 

同じものをあなたに対して感じていたの

 

マコトが本気で私に会いに来ようとしてくれている

 

その心意気が嬉しかったし

 

何よりそこにマコトの私への真剣な想いを

 

感じずにはいられなかったの

 

だからこそ、私もいつまでも気付かぬ振りして

 

逃げ惑うのではなく観念して

 

自分のこの気持ちと向き合おうと決めたのよ

 

そうね、嫉妬が既に教えてくれていたしね

 

私の心がずっと誰に向いていたかを

 

うふふ、今にして思えば、私のそんな小さな嫉妬も

 

2人の関係をこうして進めるためのエッセンスだったのかもね

 

だから、自然に私もマコトに対して

 

こんな約束を自分に課したのよ

 

随分と私らしくない言動だとは思ったけど

 

マコトにそう宣言してしまった後で、

 

自分の発言の重さに何度も青ざめてしまったけど

 

でも、一旦交わした約束を反故にするつもりはないわ

 

「確かに、性欲だけで他のメンズと逢瀬したけど

 

でも、気持ちはマコトだけを求めているの

 

勝手過ぎるよね

 

だから、私のことを信じてくれていなかったのかもね

 

それなら、私もそんなマコトを

 

不安にさせることを止めたっていい」

 

「お互い一途に行こうか?」

 

「うん、そうだね、そうする」

 

「嬉しい♡」

 

「私も嬉しい、

 

それから本当に思いがけない展開にびっくりしてる

 

だって、この間、マコト、素気なかったもの(笑)」

 

「そう?変わらない愛だよ

 

一途な思い、一途に行こう」

 

「ねぇ、1つ、訊いてもいい?

 

待ち合わせ場所で私を一目見た時に

 

特別なものを感じたって言ってくれたけど

 

それってば、一目惚れっていうことなの?」

 

大人の男としての凄みがあるマコト

 

一目惚れだなんて、さも青二才に似つかわしい

 

そんな初々しい言葉を遣うのもどうかしらと

 

多少の違和感を感じたものの、敢えて訊いてみたの

 

「一目惚れか、

 

ちょっと違う表現だと思う

 

お互い結構な人生を経験して一番合うなと思ってる

 

俺、こういう勘は外したことないんだよね

 

だから会い続けてお互いを深めたらと思うよ」

 

マコトは、基本的には自分の感情は全て

 

役者としての芸の肥やしだと言わんばかりに

 

自分1人で人知れず感じて味わって

 

どこかに仕舞い込んで

 

私になんか全然教えてはくれやしないの

 

「旦那さんが病気で大変な中、

 

セックスしたりなんかするの?」

 

という、マコトLINE

 

「どうして突然、

 

私にあんな意味深な質問をしたの?」

 

って何度か訊いても最後まで、

 

その意図を決して教えてはくれなかったようにね

 

だけど、ずっとこの間、

 

彼もまた嫉妬の塊であったことだけは明かしてくれたわ

 

おぉ、マコト、私はあなたに

 

強烈な魅力を感じてしまっているの

 

どこにそんなにも魅力を感じてくれてるの?ですって?

 

うふふ、そこは私もマコトを見習って、

 

これ以上敢えて言葉にせず、

 

私もこの感覚、感情を1人で噛み締めてみることにするわ

 

それから、他のメンズとの逢瀬の合間に

 

片手間に逢うのはイヤだとも思ったの

 

私の全神経集中して、マコト、

 

あなたという男の全てを余すところなく

 

貪欲に味わい尽くしたいと思ったのよ

 

それに、例え私にセフレが100人いたとしても

 

本当に私が性的に飢えて孤独な時に

 

彼らが私の欲求を満たしに駆け付けてくれることもなく

 

気が付けば、いつも1人で

 

自分の火照りを鎮めているような状態で

 

それなら、セフレなんていてもいなくても同じじゃないのって

 

最近、頻繁にそう思うようになっていたのも事実だしね

 

マコトとの化学反応で作り出す、

 

新しい世界に身を任せてみたい

 

私とは何もかも正反対のあなたが見せてくれる世界に

 

出会った時からずっともう

 

ワクワクさせられっぱなしでいるのよ

 

遠距離や性欲等…の問題が出れば、

 

その都度、2人して一緒に考えればいいわ

 

案ずるより産むが易し、よ

 

だから、これをもって

 

Kidechan’smen愛人枠、セフレ枠

 

全ての枠を解体し、解散します!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました