あたしは自分でも感情的で衝動的で本能的な女だと思っているわ
そーね、「常識、理性だなんてナンセンス、クソくらえ!」だわね
上京して初日の夜、最終の電車に乗るべくして
教祖様が22時半頃に部屋を出るのを見送ると
急に疲労感を感じてしまって
あたしは窓に面した長椅子にぐったりとして座り込んだの
(撮影したのは、午前3時過ぎのものだから、
周辺の夜景もおやすみモードで控え目になっています↓)
初日の移動の疲れと、今日1日の目まぐるしい環境の変化、
そ、東京と言う、刺激的で濃厚な環境にあたしは自らダイブしたわけだけど
その切り替えに心身がまだ完全に追い付いていないみたい
だって、そーでしょ、地元では
自宅→タツノスケ師範とホテル→職場
という、実に単調な環境の往復で完結してしまっているわけだし
そりゃあ、タツノスケ師範との逢瀬ではいくらか気が紛れるものの
それ以外では、それはそれはひどく退屈で、
あまりにの退屈さ加減にあくびを噛み殺すかのごとく、
シャンパンかビールグラスを常に傾けずにはいられないわけよ
それはそーと、お昼を少し過ぎていたのと
すっかり休日モードのあたしと
ちょっぴり休日モードの教祖様との2人で
時間を気にすることなく、アルコールと焼肉を堪能したものだから
夕飯の時刻を迎えてもそんなに空腹じゃなくて
教祖様と2人でホテルの部屋に戻ると
ルームサービスで軽食を頼んだのよ
あたしは上京するなり、ここぞとばかりにビールか
シャンパンが手放せなくなるの
そ、チェーンスモーカーならぬチェーンドリンカーだわね
常にグラス片手に何かを飲んでる
そーなると、ますます食なんて興味がなくなってしまうのよ
うふふ、いーじゃない、とびきりの非日常に飲んだくれたって
…あら、でも結局、あたしってば東京でも地元でも飲んだくれてるw
…それってば、単なる酔っ払いなだけかしらん?うふふ…
教祖様と一緒に頼んだシャンパンは
主にあたしが1人で飲み干してしまったのだけど
教祖様が帰られた後も、追加であたしの愛して止まないシャンパン、
ルイロデレールコレクションをハーフボトルで頼んだの
うふふ、きらめくシャンパンの泡と部屋を取り巻く夜景と
おぉ、それからバルコニーから見える摩天楼の空に
やっぱりあたしの大好きな上弦の月が控え目にだけど
負けじと輝いていているのが見えたわ
「何もかも同じ、何だかとっても象徴的だわ!」って、
あたしはますます自分の気持ちが妖しく高揚していくのを感じていたの
そ、半年前にマコトと過ごした夜と全く同じってね
そんでもって、もう一度、あのキラキラした
シャンパンのきらめきのよーだった
マコトとの夜を再現してみたいって
急に身も心もうずうず、ムズムズしてきたのよ
東京に着いてからも、日中折を見てはタツノスケ師範と
ちまちまとKakaoでやり取りをしていたものの
いつもよりも素っ気ない短文の彼からのメッセージに
どこか拗ねたよーな印象さえ受けたわ
いくら彼が神々し過ぎる教祖様には嫉妬しないと言っても
あたしだけキラキラとした大都会、東京で羽を伸ばしてる様子に
彼は幾分かの寂しさを感じていたのかも知れないわね
あたしのために既にパイプカットの手術を終えた彼は
Pにぐるぐると包帯巻かれて引きつりのよーな違和感が
ずっと取れないと言っていたっけ
そのせーか、どこか声も沈みがちだったわ
あたしに漏れなく精力、性欲を吸い取られて
タツノスケ師範ってば、健全な子供みたいに
ここ最近、ずっと22時頃には就寝してるみたいなの
それが証拠に、いつまで待っても彼から返事が来る気配はなかったわ
当然、電話だってつながらない
あたしは妙に人恋しくて、ざわざわと胸騒ぎがして
ホテルとシャンパンと摩天楼と上弦の月と
こんなにも舞台が揃っていて
「こんな夜にあたしをロマンティックな夜伽へと
エスコートしてくれるメンズは、なぜ1人もいないの?!」って
何だか役不足な感じがしてとても歯痒かったのよ
確かにあたしが今一番心身ともにハマっているのは
タツノスケ師範に違いない!
だけど!!
だからと言って、あたしはタツノスケ師範とホテルの外で
セックスなしのプラトニックデートをしたいとは
どーしても思えなくて
だって、彼はあたしに尽くしてくれるけれど
あたしに女としてのときめきを与えてくれる男かと問われれば
必ずしもそーじゃない
どんなにあたしに尽きぬアクメを与えてくれよーともね
そ、残酷なよーだけど、それはそれ、これはこれなの
そ、あたしがセックス抜きでもデートを楽しみたいと思う男は、
あたしを目でも楽しませてくれるよーな、適度に華のある、
洗練された都会的な雰囲気をまとったメンズで
そんでもって、必ずしも知的でなくてもいいけど
あたしに「面白い男!」って唸らせるよーな
良くも悪くもとにかく刺激的なメンズでなくてはダメなのよ!
あるいは、教祖様のよーに、あたしのニーズを先回りして読んで
徹底して抜かりなくあたしにスマートに奉仕してくれて
あたしを心身ともに癒し満足させてくれるメンズでもいいわね
…ま、おいそれとはそんなメンズはなかなか遭遇しないので
あたしってば、ホテル以外ではメンズと滅多にデートなんてしないのよ
あるいは、そんなメンズがいたら、
あたしがお金を払い、彼を雇ってデートしたっていいわね!
その代わり、彼にはあたしを心地よくすることに
仕事(プロ)として徹底的に集中してもらう!
別にこれは彼自身が悪いのじゃない、
飽くまで、あたしの主観的な判断によるものだけど
哀しいかな、その両者のいずれにも当てはまらない、
タツノスケ師範ってば、
あたしに優し過ぎるだけの男なのかも知れない
だから、ちょっと…いいえ、かなり物足りないのかも知れない
…尤も、あたしはその事実を認めるのが怖くて
後で彼にそのことを怒声で追及されるまで
彼に対しても自分自身に対しても
とぼけて認めてこなかったわけだけど
だって、そーでしょ、
それを一旦認めてしまったものなら…ね?
…分かるでしょ?
一通りの惚れた腫れたを経て来た、
オトナの男女読者の皆さんなら…ね?
分かってるのよ、あたしが今、
めっちゃ傲慢なことを言っているのは
でも、仕方ないじゃないの!
だって、そー感じてしまっているのだから
そーやって、自分自身に言い訳をしながら
あたしはやたらマコトが懐かしくて仕方なくて
先日、ブロック削除してしまったばかりの
マコトのサイトを復活解除させて覗いてみよーとしたの
そーしたら!!
彼は何と、あたしをサイトでブロックしてしまって
あたしからは彼のプロフを
一切見ることが出来なくなってしまっていたのよ
あはは…もはや笑うことしか出来なかったわね
このあたしが、まさかメンズからブロックされるだなんて!
だって、そーでしょ?
メンズにとって、やり取り出来る女性ってば希少価値なものだから
おいそれとは自らブロックしたりなんかして切ったりしないものよ
それに第一、「あたしそこまで嫌われるよーなことをした?」ってね
それなのに!!
自らこのキデ様をブロックして切ろーとするとは
「何て、自意識過剰の強気な男なの!実に面白い!」
って逆に笑えて来るじゃない?
そーそ、少なくとも我がタツノスケ師範なら
決してそんなことはしない筈よ
だって、そーでしょ、
常に女性とセックスの機会を窺う彼は、
何があっても一度知り合った女たちの連絡先は
ブロックどころか削除なんかしたりしやしないわ
二言目には「おぉ、勿体ない!」なんて言ったりしてねw
実際それで、歴代の何ら関係のあった女たちから再び連絡をもらい
ちゃっかりとセックスにまで至っているわけだから
そんな旨味を熟知していた彼は、
最終的には浮気なあたしをあんなにもなじったりしたくせに
あたしがあんなにお願いして
表面上は何度も「分かった」って快諾してみせても
決してその女たちの連絡先を削除しなかったものね
そこをあたしがつつくと、彼ってば逆上して声を荒げてくる始末
うふふ、そこは彼も痛いところを突いて来たと図星で分が悪かったのかもね
…おっと、でもこれはもーちょっと先の話だったわ
うふふ、ついつい話の流れで先走っちゃったわね
そんなスケベでしたたかなタツノスケ師範とは対照的に
マコトはこのあたしをサイトでブロックしているのは事実で
あたしはメンズによって、
「こーも反応、行動が違うとは実に面白い!」とニヤリとしながらも
「さて、どーしたものか…」と
この後の自分の取るべき行動を思いあぐねていたわ
気持ちは浮つくけれど、それでもやっぱり何てたって、
あたしはタツノスケ師範を愛していたし
そんな彼を裏切りたくない気持ちもしっかりとあったりしたわけだし
そもそも、あたしはマコトと本当に会いたいのか
「単にシャンパンの酔いで舞い上がってしまっているだけなのでは?」って
自分の気持ちを疑ってみたり
もしも、マコトに会いたい気持ちが強かったとしても
あたしをブロックしている彼の心を解くのは何だかとても面倒臭そー
そこまでしてまで、あたしはマコトと会いたいのかな?
しかも、あたしは既にマコトの連絡先を
ブロック削除してしまっていたわけだし
そーね、お互いに相手をこーしてブロックし合っているのだから
これはもー、会うなというサインなのかも
そーは思いながらも、やたら胸がざわざわとするのはなぜ?
もー、自分の心ながらに訳が分からない…
そこであたしは急激で猛烈な疲労感、睡魔に襲われて
ふらつく足取りでベッドまでたどり着き、そのままベッドに倒れ込むと
すーっと眠りに落ちたのよ…
そ、そーやって実に悩ましかった東京初日の夜は終わったわね…
to be continued…
コメント