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トーキョー・ラヴァーズ~その22~(東京愛人特集)

ショートスリーパーのあたしは

 

マコトとの不発に終わった、セックスの後で

 

ほんの1,2時間ばかりうたた寝しただけで

 

午前6にセットした目覚まし時計が鳴る前に目が覚めたわ

 

それからあたしは、たっぷりと最後の朝風呂を楽しんだ後で

 

7に頼んだ、ルームサービスの朝食より一足お先に

 

新たにハーフボトルのシャンパンをオーダーしたの

 

締めきったままの空調の部屋が少し暑いのか

 

マコトは裸の上半身をむき出しにしてうつ伏せぐっすり寝入ってる

 

若い男性のルームサービスの人がワゴンに載せて

 

シャンパンのボトルを部屋の中まで運んでくれた時、

 

さすがに慌ててナイトガウンを羽織ったものの

 

長椅子に腰かけたあたしの裸の太ももは

 

短めのスリップドレスからは露わで、

 

そんでもって、少なくとも上半身裸の男がベッドで寝入ってる

 

「いかにも情事のあとって感じじゃない?

 

この坊やに刺激が強過ぎでなければいいけど」

 

って、あたしは意地悪げにニヤリとしてしまったの

 

シャンパングラスを片手に持つと、窓辺に立ち、

 

午前6時ぐらいではまだまだ白みそーにない、

 

外の景色を見ていたわ

 

そして背後に振り返って、ベッドの中のマコトを見ると

 

あたしはこー思ったの

 

「そー言えば、始発で帰るって言っていたけど、

 

何時に起きてここを出て行ってくれるのかしらん?

 

全然起きそーな気配はないけど…

 

ここはあたしが気を利かせて、起こしてあげた方がいいの?

 

それに、さすがに朝食が運ばれてくる時間までには

 

彼にここから出て行って欲しいわ」

 

だから、あたしはここで初めて寝入るマコトに声を掛けてみたのよ

 

「…マコト、まだ起きないの?6時過ぎてるけど…

 

確か、始発で帰るとか言ってなかった?」

 

一瞬、あたしの声に反応したかよーに見えたけど、相変わらずの無視!

 

その後、あたしは実に数回にわたって彼に声を掛けるのだけど、

 

いずれも、憎たらしいほど無視の無視!!

 

そーこしているうちに、7時のルームサービスが部屋に運ばれてきて

 

布団から出た上半身が裸のまま、うつぶせ寝をしているマコトをよそに

 

あたし1人だけ、黙々と朝食を食べてる図って、

 

シュールで色気ないわねって、我ながら苦笑を禁じえなかったわね

 

そんでもって、食事を終えて、ルームサービスのワゴンも下げて貰った後で

 

あたしはもー1度、辛抱強くマコトに声を掛けてみたの

 

ホント、一刻も早く、このヤツにはここから出て行って貰いたい!!

 

「マコト、もー8時になっているけど、そろそろ起きて帰ってくれない?

 

何時までここにいるつもりなの?

 

あたし、そろそろ荷造りしなくてはならないのよね…」

 

すると、何度目かの正直でマコトはようやく起きてくれたかと思えば、

 

おはようの挨拶もそこそこに、いきなりこー言って来たのよ!

 

「…朝立ちしてる…」

 

は?!何言ってるの、

のっけからこの男は?!

 

それからマコトは布団をめくって、

 

改めて自分のPを見ると驚いたよーな声を上げたの

 

「ヤバい…ゴム取らずに寝たから、ゴムが張り付いて

 

なかなか取れないや…」

 

そー言いながら、マコトはベッドの上であぐらを組んで、

 

Pをむき出しにして張り付いたゴムと格闘しているみたいだったけど

 

あたしは朝からそんな見苦しい姿を見たくなかったから

 

敢えて目を背けていたけどね

 

そーこしているうちにようやくゴムも取れたのか、

 

またしてもマコトは懲りずにあたしを誘って来たのよ

 

「朝立ちしているから、やってみよーよ」

 

「…」

 

そー誘うから、あたしも無言でマコトPを覗き込んでみたの

 

あーん、あたしのバカ!!

 

(年甲斐もなく)朝立ちしてるって誇らしげに誘って来たマコトだけど

 

あたしからしてみれば、そのPを一瞥しただけで、

 

挿入するのはもってのほか、あたしが彼のPを締めて中イキするには

 

硬さが全然足りないことは十分分かっていた筈なのに!!

 

それなのに、あたしったら、ひょっとしたらのひょっとしたらで、

 

昨夜の不発を取り戻せるだけの何か奇跡が

 

マコトPに起きるかも知れないだなんて

 

実に虚しい考えに取りつかれて、ついつい応じてしまったのよ

 

だけど!!

 

そんな、上手い勃起話なんて、

 

マコトみたいなアラフィフ男に起きるわけないよねー

 

「…ほら、やっぱり、言わんこっちゃない…」

 

って、あまりの自分のバカさ加減にうんざりしてつぶやく

 

あたしのことなどお構いなく、

 

新たにゴムを着けるとマコト正常位で挿入して来たの

 

そーね、中折れ気味だったから、

 

あたしのポルチオに痛みを与える、

 

そんな脅威にもなりやしなかったわね

 

そんでもって、マコトはさらにめげずに

 

緩やかなピストン運動をすると

 

「う!!イク…!!」

 

って、さっさと自分一人でお果てになられたみたいで

 

あたしからPを引き抜くと、

 

何やら1人で納得したよーに呟いていたわね

 

「…そっか、半立ちでもしっかりイケるもんなんだな…」

 

確か、それと全く同じセリフを、ほんの数日前、

 

タツノスケ師範も仰っておりましたけど?

 

そんなに新奇な事実だったりするの?

 

そんでもって、何事もなかったかのよーに、

 

いそいそと洋服を着始めたから

 

あたしは慌てて言ったのよ、いえ、少し声を上げて言ったわね

 

「ちょっとッ!!あたしはどーなるの?

 

あたし、まだ何ともないし、

 

すーっかり取り残されてしまっているのだけど?!」

 

「ごめん、俺、9時までに大手町駅行かないと

 

ダメなんだよね、だから時間ない

 

そりゃあ、俺だけ1人で先にイッて悪かったと思ってるよ」

 

「はぁ?!アンタ、このままあたしを残して行くわけね!

 

いいわ、もーアンタとは金輪際会わないから!!

 

もーいい、アンタなんて知らない!!」

 

マコトは声を荒げる、あたしのことなど一瞥もせずに、

 

せっせと自分の荷物をまとめたりしていたわ

 

口先だけの「ごめん、ごめん」を繰り返してね

 

そんでもって、突然マコトは動作を止めると、

 

あたしの方に向き直って、こー反撃して来たのよ

 

「ふーん、それじゃ、もー会わないとか言って

 

また俺のLINEとかをブロック削除するのかな?

 

それでもいいけど、でも、

 

もー2度と俺は友達申請とかしないからな」

 

やられたと思ったわ

 

だって、マコトの言うことに一理あると認めてしまったもの

 

確かに、あたしは怒りに任せて、

 

このまま再びマコトの連絡先等を削除してしまったかも知れない

 

そんでもって、うー、あたしのことだから、

 

後で妙にそのことを後悔してしまって、死に物狂いで

 

自ら手放したマコトの連作先を取り戻すべく東奔西走しちゃうかも…

 

「…」

 

あたしが言い淀んでいると、

 

更にマコトは実に小憎らしく笑って言ったのよ

 

「今度は、酔っていない時に会いに来るよ」

 

あたしは頭の中でぐーるぐーると混乱気味に

 

色んな想いが猛スピードで行ったり来たりしていたわ

 

何でなの?!どーして、

あたしはこの男から離れられないの?!

 

この男があたしに優しかったことはこれっぽっちもない、

 

あたしも別にこの男に何か期待しているわけじゃない

 

好きと言う、愛情がお互いにあるわけでもない

 

セックスだって、今となっては相性がそんなに良くないことも分かった

 

それなのに!!

 

この男の一体どこに惹きつけられて、

 

あたしはこんな屈辱的な思いをさせられてまで

 

執着してくっついておこーとするの?!

 

自分でも全くよく分からない!!

 

「…マコト、あたし達、まだ呼吸が合うと思っているの…?」

 

そんな中、あたしが辛うじてマコトに言えた言葉だったわ

 

「…そんなこと、わざわざ口にして言うものでもないよね」

 

マコトは一端(いっぱし)の俳優らしく

 

そこにカメラでも回っているのか、

 

ちょっとドラマティックな間合いで

 

そー捨て台詞を言うと、そのままドアへと向かい消えて行ったのよ

 

帰郷した後のオンライン・セッションで、あたしの心服するメンター、

 

通称・教祖様にマコトとの一件を伝えた時に教祖様

 

「マコトに代わる、煌めく東京を象徴するような、

 

そんな新たな男が出現したら、すんなりとマコトのことは

 

忘れ去ってしまうと思いますよ」

 

って仰ったけれど、「そーなのかな…?」って

 

あたしには少しだけ違和感が残ったわ

 

何て言うのかな…感覚だけに特化して生きているマコトは、

 

物書きの哀しい性なのか、

 

ともすればごちゃごちゃと言語で考えに考え抜いて

 

本当はシンプルな筈の物事さえも複雑怪奇魂にしかねない

 

そんなあたしからしてみれば、とても眩しい存在と言うのか

 

そーね、あたしが自由を覚えたての子ネコ猫だとしたら、

 

彼は自由に闊歩する、大先輩の大ネコ黒猫って感じで

 

大ネコ先輩黒猫の彼が「ニャー」と鳴けば、

 

子ネコ猫のあたしも意味も分からず取りあえず見よー見まねで

 

「ニャー」とその後に続いて慌てて鳴くって感じなのかも

 

そんでもって、大ネコ黒猫の後について行く、子ネコ猫みたいな感じ

 

何も考えずにただついて行く…って、そんな感じなの

 

…って、この例え、分かる…?汗

 

きっと、言語を超えた、あたしの中の何かしらの感覚が

 

マコトの言動によって刺激されて、

 

意識で理解するよりも先に彼に惹きつけられてる、

 

そんな感じなのかも知れないわね

 

「…相変わらず、彼が自由人であることだけは間違いないわね…」

 

あたしはそこで自分の敗北を認めるかのよーに

 

でもどこか満足げに微笑みながら

 

静かに頭を振ると、荷造りを始めたの…

 

to be continued…

 

 

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