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トーキョー・ラヴァーズ~その1~(東京愛人特集)

「アイツ、ホント、自由だよなぁ~」

 

あたしは、東京出張で前乗りして3泊4日も宿泊していた、

 

定宿である、パレスホテル東京を後にすると、

 

会議会場のある新宿へ向かうタクシーの中でニヤリとつぶやいたの

 

アイツとは、東京愛人(トーキョー・ラヴァーズ)人、

 

そんでもって既に古参の、マコトのことね

 

マコトとは半年前に、あたしがやはり東京出張で前乗りしているときに、

 

夜伽の相手を出会い系サイトの掲示板にて募集したら、

 

応募して意気投合し一晩過ごした相手だったわけ

 

彼はあたしより1つか2つ年下の独身のメンズで、

 

俳優兼モデル・タレントエージェンシーの経営にも携わっているのね

 

常にドラマ等の撮影、役者の卵たちへの演技指導、

 

もちろん所属タレント等の売り込みも忘れない彼は、

 

仕事獲得の為、毎晩プロデューサー等の接待に明け暮れているわけで、

 

いつでも信じられない時刻まで飲み明かしてる

 

そんな彼のスケジュールは不規則で

 

だからこそ、あたしの東京出張が決まるなり早々に、

 

東京で会おうと彼を捕まえておくべくして

 

あたしから一度は誘ったわけだったの

 

そして、それはタツノスケ師範と出会う少し前の話だったわ

 

だけど!!

 

ほら、あたしってば、ここのところずっと、

 

新参の愛人だった、タツノスケ師範とまさに抜き差しならぬ、

 

狂気染みた蜜月を過ごしていたわけでしょ

 

すっかりあたしのMタツノスケ師範巨根に馴染みきってしまい、

 

おまけにM神様まで出て来て、「今更、マコトのPはいらん!」

 

と言われるし、その頃は心身ともにすっかり

 

タツノスケ師範にどっぷりハマっていたものだから

 

マコトに会えないと断ってしまったのよね

 

咄嗟に、「夫が病変したから東京出張はなくなった」

 

と嘘ついたりなんかして

 

すると、日頃はあたしからのLINEとか既読スルーのくせに、

 

急にあたしのことを心配した返事を寄越してきたりとか、

 

あたしのサイトのプロフまでわざわざ足跡残してチェックしに来る始末

 

さすがにあたしも罪悪感を感じて、マコトに正直に打ち明けたわけよ

 

「ごめんなさい、嘘をついていました

 

東京へは行きますが、マコトとはセックスしたくありません

 

でも、マコトとは久々だから会ってみたい気がする

 

どーかしら、セックス抜きで会ってくれそう?」

 

すると、珍しくすかさずマコトからLINEの返事が来たわね

 

「言霊って言葉、知ってるよね?最低です、以上!!」

 

あはは、マコトらしー返事だわ~w

 

飼っているネコを溺愛して、ネコと毎日毎晩会話をすると言う、

 

マコトは言葉の持つ意味自体に重きを置いてはなくて

 

言葉が引き連れて来る、音とか波動とか

 

感覚こそに注目すると言っていたから

 

なるほど、言霊って言う発想も彼らしーわと思ったの

 

だけど!!

 

あたしも人並み以上に感情、感覚的とは言われるけれど

 

アイツの方がそんなあたしなんかよりもはるかに感覚的で

 

それゆえに、こーしてたびたび会話がすれ違うことがあったりする

 

だから、念を押してもう一度LINEを送ったのよ

 

「セックス抜きであたしと会うつもりある?」

 

そしたら、また直ぐに返事が返って来たわ

 

「セックス!です!」

 

だよねーw

 

だから、あたしはやっぱり、

 

今回の東京出張ではマコトと会うことはないなと思ったの

 

それに、ここまであたしと会いたい目的をハッキリ言い切るのも

 

「逆に清々しくてとても良い!」とさえ思ったわ

 

でも、同時にこれでマコトとの縁もここまでかなと思ったのも事実

 

だから、彼にこーLINEを送ったのよ

 

「それじゃ、あたしたち、もう会う意味ないね、サヨナラだね」

 

「うん、そうだね」

 

あたしはそんなことを考えていると、どこか不安そうな表情で

 

タツノスケ師範があたしの顔を覗き込んできたのよ

 

「ね、キデ、何を考えているの?」

 

その時、ちょーどあたしは、タツノスケ師範2して仕事をサボって

 

朝から行きつけのホテルに缶詰めして逢瀬を楽しんでいる最中だったわ

 

あたしが翌日から1週間の東京出張に出かけるから、

 

その前に性的にスッキリさせて

 

あたしがその最中にヘンに性欲を亢進(こうしん)させまいとしてね

 

それから、あたしが東京出張へと出発するその日、

 

タツノスケ師範もパイプカットの手術を控えていて

 

それをすると、あたしが帰郷しても傷口が癒えるまで

 

当分はあたしとセックス出来ないだろう事情もあって

 

今のうちに出来る限りしておこうという魂胆だったのよ

 

既に何度目かのセックスを終えた後で

 

ソファーに腰かけると、

 

あたし達は持ち込みの缶ビールで酒盛りしていたの

 

「ね、キデ、何を考えているの?」

 

あたしはバツが悪くて聞こえぬ振りをしていたのだけど

 

そーすると、さらに彼の不安を煽ったのか、

 

彼はさらにあたしの顔をじーっと覗き込むと、もう一度訊いて来たの

 

どーやら、あたしが無意識に自分の長いネイル同士をぶつけて

 

カチカチと鳴らしながら物思いに耽っているよーに見えたのね

 

あたしはその癖を彼から指摘されるまで全然気づかないでいたけど

 

タツノスケ師範曰く

 

「キデがネイルをカチカチ鳴らしながら考え事をしているとき

 

俺以外の男のことを考えている」サインなのですって!

 

尤も、弁解させてもらえば、毎回必ずしもそーではなかったけど

 

そーね、今回は正解だったわ

 

だから、あたしはその当時、一番のお気に入りの愛人だった

 

タツノスケ師範を安心させるべく、こー言ったのよ

 

「マコトと東京で会うどころか、別れてしまったみたい」

 

タツノスケ師範ってば、あたしの言っていることが

 

にわかには分からないみたいでポカンとしていたわね

 

あたしはそんな彼のことなどお構いなく

 

うふふと笑うと、さっきまで開いていた

 

マコトとのLINE画面を閉じて、さっとブロック削除したの

 

そして、再びタツノスケ師範の方へ向き直ると言ったのよ

 

「さ、もう一戦するわよ」

 

to be continued…

 

 

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