「あーん、イク、イッちゃうー!!…イッたわ」って、
あたしはいつでも、自分が中イキなり、外イキなり、
何かしらアクメに達するときは、
エチケットとして相手にちゃーんと伝えるよーにしているの
それは同時に、相手へのけん制でもあったりするわけよ
「あたしはちゃーんとこーして、たった今、イキましたよ
だから、しばらくの間はあたしのことを放っておいて下さいな
こらこら、いつまでも未練がましく、あたしのおっぱいなぞ
吸うんでないよ、イッた後にそんなことをされると
やたらくすぐったくて仕方ないんスわ、むしろそんなことを
ずーっとされ続けてしまうと、せっかくさっきあたしが掴み取った
アクメもどこかへ引っ込んでしまいそーなんで
これ以上ムリは言いません、
いえね、ただ速やかにあたしの体から離れろ、構うなって
言っているだけなんスわ…」ってね
でも、実際はあたしもイッた直後で気怠いし、
さすがにここまで露骨に断言してしまうと、折角のメイクラブの直後の
甘やかで淫靡な雰囲気もぶち壊しなんで、黙っているけどね
でも、正直な本音はまさにこんな感じなのよ
さて、そーやって、あたしは確かにアレックスに
自分がイッたことを伝えたのに、
一向に彼は自分のPをあたしのMから引き抜こーともしない
明らかに彼のPはあたしの中で変わらずに勃起したままで
それならそれで、彼もこのままフィニッシュと決め込みたいのかしらん?
彼のこれからの「方針」が今一つ見えずにあたしが少しうろたえていると、
アレックスはこー言ってきたのよ
「さぁ、キデ、1回目イッたから、後2回、このままイッてくれよ
僕は、メイクラブでは相手の女性に先に3回イッて貰うと決めているんだ」
3回も?んまー、それは何て頼もしー、素敵な提案なの!
だけど!!
その前に、ひとまず、アナタのP、抜いて下さる???
「…3回もイカせてくれるのはうれしーけど、
それなら、一旦Pを抜いてくれない…?」
「どーして?さぁ、このままぶっ通しでイクよ?」
だから!!
どーして、万国共通、ワールドワイドで、
男どもは、みーんな揃いも揃って、
女は誰しも連続イキするものだと思い込んでいるの?!
何で、そー決めつけるのよ?!
あんたたち、揃いも揃って、おバカなの?!
女の数だけ、Mの形があるよーに、
女の数だけ、イキ方にもスタイルがあるのよ!!
あたしはそんな頓珍漢なことを言いやがる、
アレックスに軽く失望、げんなりしながらも
ほら、そこは日本人お得意の、
そんなことなどおくびにも出さずに言ったわけ
「あのね…あたしは、連続イキ出来ない女なの
だから、次にイコーと思ったら、
その間はちょっと休憩しないとダメなの
ね、だから、お願い、ちょっと抜いて貰ってもいい?」
そこまで言って、よーやく、アレックスにPを抜いて貰えたわけ
「キデ、言っておくけど、僕はまだ1回もイッてないからね」
「…えぇ、分かっているわ、だから、ちょっと休憩させて、
直ぐに復活できると思うから…」
すんげー、プレッシャー!!
何か、いつもと立場逆じゃん、あたし!!
あたしは自分がイッた後のルーティンとして、
アレックスに腕枕をねだると
彼に大好物のバックハグをされながら、あたしたちは休憩も兼ねて
取り留めもないピロートークを楽しんだの
「日本人の女性は、セックスの不満とかを決して言わないね
欧米じゃ考えられないよ、欧米じゃ、している最中に不満があったものなら
彼女たちは実に遠慮なく、ズケズケと言ってくるし、
早漏だったりしたものならめっちゃ怒り狂って、
その場で帰られてしまうか、もう2度と会って貰えなくなる」
「そーね、あたしは日本人女性の中でも、
結構不満や要望を言うタイプだと思うけど
確かにあたしみたいにハッキリと言うと、
日本人男性は確実に萎えてやる気をなくす、
あるいは『文句ばかり言う、お前こそ悪い』って
責任転嫁されてしまったりする
あるいは、もっと最悪なのは、
それがきっかけで中折れしてしまったりすること」
「Whoa!! どーして、女性から文句を言われて、
日本人の男たちは逆に怒るんだ?
欧米では直ぐに女性は、
『満足に出来ないのなら、他の男のところへ行くわよ!』
って言うから、こちらも他の男に負けてなるものかって、
もっと頑張るようになるけどな」
「でしょ?フツーはそーなるよねぇ…
だけど、日本では、そー言ったものなら、
たちまちに相手は拗ねて、
『だったら、他の男へ行けよ!』って喧嘩になっちゃうだけよ」
そ、あたしは本の1か月前、まさにそのとーりの痴話喧嘩をして、
そのまま本当に別れてしまった、
タツノスケ師範のことを忌々しく思い出さずにはいられなかったわね
「そー言えば、欧米って
『デーティングシステム』なるものがあるのでしょ?」
「あるよ」
「それってば、やっぱり、本格的にお付き合いするか決める前に、
まさに『デーティング期間』なる、お試し期間があって、
その期間中にセックスをして体の相性を互いに確認し合ったり、
その他、お互いが相手に求めることや価値観のすり合わせもするって
聞いたことあるけど、本当なの?」
「うん、本当だよ、だって体の相性も大事だろう?」
「えぇ、あたしもまさにそー思うわ!!
実は日本へも是非ともその『デーティングシステム』を導入すべきだと
ずーっと熱望しているの!!
そもそも日本の文化ってば、キモ過ぎるのよ!
だって、そーでしょ、告白して正式に付き合ってから初めて、
セックスをしたり、お互いの求めるもの、
価値観について話し合ったりするのよ
やっぱ、どー考えても、順番が逆よ!!
どー考えてみても、やっぱキモイ!!」
あたしは常日頃から疑問に感じていることを、
熱く一方的にアレックスに語らずにはいられなかったわ
だって、あたしが日頃、疑問に感じていること、
それをあたしが話し合える同性の相手が皆無だったもの!
どんなに親しー、同性の友人であろーとも、
なぜか性についてはタブーなのよ、まだまだ!
本当は、女性同士で性に関する、興味本位じゃなくて、
いいえ、きっかけはそんなもので十分にいい、
でも最終的には、もっと真摯に率直にお互いの性について
情報交換出来たらいいと思ってる!
「あたし、思うの、日本人女性はまだまだ自分の性の趣味嗜好について
堂々と語ることをタブーとされているところがあるの
実際、ここでこんなにも色んなことを語るあたしだって、
一歩外に出れば、自分の身を守るために、
一切自分の性について語りやしないわ
それはね、まだしぶとく残る、『処女崇拝』の名残のせいだと思うの
女性があけすけに自分の性について語る姿勢は、
さもはねっかえりで、色んな男たちの手垢がついた、
非処女の汚れた女だって見なされるからでしょーね
実際、あたしはメンズから
『これまでに何人の男と寝て来た?』って
よく訊かれるしね
だから、何だって言うの?
そもそも、女の処女性は商品じゃないのよ!
さすがに今のご時世、処女か非処女かって露骨に差別しなくなったけど
それでも、依然として、女性は男性経験が少ない方がいいと見なされる!
女性にだって、男性なみに性を謳歌する自由はあるわ!
まだまだ、男女共々、そ、女性自身だって、
女性の性をれっきとした人格、個性だと認めてはいやしないのよ!」
それから、あたしは一呼吸置くと、更に続けたの
もー、語りたい、熱い思いが止まらない!!
「…でもね、こんなこと言ってるあたしだって、
2度結婚しているのだけど
前の夫の場合は、子作りをする段階になって、
すーっかり子作りEDになってしまったのよね
あたしはそれで毎晩泣かされたけど、
夫は何も改善しよーとはしない
そんな夫に結局あたしは何も言えなかったし、
受け入れざるを得なかったの…
今の夫に至っては、不倫している時からEDで、
なかなかあたしとセックスをしよーともしないから、
あたしから迫ったらそのままホテルへ行くも、何も言わず、
ホント、挿入寸前まで何も明かされなかったの!
だけど!!
あたしは今度もまたEDかって、内心酷く落胆してしまったけど、
こんな高々、セックスが出来るか出来ないかぐらいで
相手を切って別れてしまうのは、
人として劣る行為だと思い込んでしまっていたのよ」
「Whoa!! 欧米じゃ考えられないことだね!
セックスレスは立派に離婚の原因になり得るし、
もしもEDだと分かったら、
僕なら薬なり何なりと手を早急に打つけどな…
欧米では結婚しても、セックスは大事なことだとして、
結婚して何十年経ったとしても、
ちゃーんと行うし、デートだって楽しんだりするよ」
「そーよねぇ…今なら、あたし、誰かと付き合うとしたら、
付き合う前にまずはちゃーんとセックスをしてみて、
体の相性を確かめ合うと思うし、
それから、お互いに求めること、期待することを
しーっかりと話し合ってから、付き合うと思うわ
…尤も、今は特定の相手なんて要らないけど」
「キデ…、僕の顔を見て…
大変な思いをしてきたんだね…
よし、僕と今からセックスをしよう!
旦那さんの分まで、僕が愛してあげる♡」
同情は、よし子ちゃんよ!!
心の中で、一人でそーツッコミながら、
あたしはちょっと困った顔して、
無言でアレックスを見つめ返すしか出来なかったわ
だって、2人のEDの夫の件については、
あたしの中で既に解決済みの案件だったもの
同情は、ホント、よし子ちゃんよ!!
そ、何もあたしはメンズからの同情を買いたくて話したわけじゃない
2人の夫が揃いも揃ってEDであったからこそ、
今現在のあたしがいるわけだし、
そーなるまでに幾度も価値観の転換を余儀なくされて
あたしとしては、その分、自分の世界が大きく広がった、
その分、もっと自由になれたと思っているの
その当時のことはとーっても辛い出来事ではあったけど
でも今ではそれをすーっかり、
あたしの養分として吸収、消化してしまっているから
むしろ、感謝しているぐらいよ!
そーやって、2人のEDの夫との結婚生活を反芻(はんすう)する
あたしの心中など知る由もないアレックスは無邪気に
相変わらず勃起したままの自分のPをあたしのお尻辺りに当てて来たわね
あれ…これってば、タツノスケ師範があたしによくしていた仕草と全く同じゃないの!
…うふふ、それにしても、あたしもまーったく忙しい女ねぇ…
前の夫、現在の夫、少し前に別れたばかりのセフレに、アレックスと
この短時間の間に、実に様々なメンズのことがよぎっていくわけだから…
to be continued…
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