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セフレは外国人(エトランゼ)~その3~

待ち合わせ時刻を30分遅らせて、

 

アレックス16時半に指定してきたのは

 

外出先でギリギリまで自分のサイズに合った、

 

「メガサイズ」のコンドームを求めて奔走していたのと

 

それから慌てて自宅に戻り、シャワーを浴びる時間が欲しかったから

 

その時、そんなことなど知る由もなかったあたしはあたしで、

 

相手が日本人だろーと、外国人だろーとも、

 

セックス前に行儀よくシャワーを浴びるとも限らないので

 

外出する直前に入浴を済ませたわね

 

寒がりのあたしはこの冬の時期に

 

簡単にシャワーだけで済ませてしまうのはイヤなので

 

待ち合わせ時刻から逆算して、

 

たーっぷり2時間程度入浴楽しんだわけだけどね

 

今でこそ、話す言葉には不自由しないけど、それこそ、日本文化に興味を持ち

 

来日するきっかけとなったアレックスは、

 

ひらがな、カタカナはたった2日間でマスターしたと豪語していたけど

 

漢字ばかりは難解で、

 

たったの1000字程度しか理解していないとこぼしていたよーに

 

待ち合わせ場所に指定した、ファミマの支店の名前が漢字だったものだから

 

彼は近隣の違ったファミマでずーっと待っていて、

 

おいそれとはなかなか巡り合えなかったり、

 

あたしの指定した、炭酸水(ソーダ)をサイダーと誤解して

 

あたしが、もーここ10年以上口にしていない、

 

三ツ矢サイダーを買ってきたりというお茶目なハプニングがあったものの

 

最終的には無事に彼の車を見つけて、乗り込むことが出来たの

 

アレックスはあたしが車に乗り込んだ瞬間、

 

目を細めるよーにして、あたしをじっと見ては、

 

つぶやくよーにして、こー言ってくれたの

 

「…可愛いね…」

 

うふふ、思えば、この瞬間から、

 

外国人メンズお得意の、褒め殺しが始まっていたのね

 

そ、情熱的な外国人メンズは、惜しみない言葉でも女を殺す、ってね

 

それが証拠に、ホテルに着くまでの道中、彼は何度もあたしを見ては

 

そーやって褒めてくれたわけだし

 

「日本人らしくない顔立ち、ハーフなの?」

 

「えぇ、そーね、母親が韓国人だわ」

 

確かに、あたしは日本人にしては彫りが深く、

 

頬骨の位置も高めなので、典型的韓国人顔と言われる

 

実際、ソウルで現地人にやたら道を訊かれてしまうぐらいだし

 

一方、アレックスはプロフの写真からも分かるよーに、

 

黒人のメンズで、年齢は30代前半、身長は180~184㎝とあったわ

 

尤も、年齢については、後のピロートークで

 

「20歳の時に日本人と結婚して、

 

一人息子を儲けたんだけど、その息子は16歳で、バスケに夢中のヤツでね、

 

しかも女子からモテるらしーから、常に女の子と騒ぎを起こしてる」

 

と、言っていたから、今現在はどーやら36歳みたい

 

それから、その後で直ぐ、離婚した妻に対して

 

「彼女には息子を授けて貰ったから、感謝してる」

 

と言ったことがとても印象的だったわ

 

だって、あたしが知ってる、シンパパなんか、

 

元妻の悪口しか言っていなかったもんねえー

 

身長も、プロフには180~184㎝とあったけど、実際に会ってみると、

 

190㎝近いのではって思ったわね

 

それに、最初に見た、プロフの写真で彼の目が優しく見えたのは、

 

黒人にしては、そのくりくりとした、丸い大きな目の形のせいね

 

「アレックスは、国籍はどこなの?」

 

一瞬、彼が言い淀んだよーに思えたけど、気のせいかしら?

 

それとも、あたし、かなり踏み込んだ質問しちゃったのかしら?

 

「…ナイジェリア系カナダ人かな

 

父親がナイジェリア人で、母親がカナダ人なんだ

 

それで10歳のときに、カナダに移住してそこからずっとカナダに住んでた」

 

…まさかだとは思うけど、自分がアフリカ系であることを打ち明けて

 

もしやあたしに嫌われてしまったらどーしよ、とかって

 

そんなしょーもない、ためらいなんてあったりしなかったわよね?

 

そんな話をしながら、改めてあたしは車内や

 

アレックスの横顔を見たりしたの

 

まだあたしが前夫と交際するかしないかの、

 

20年ぐらい前に、職場の同僚に連れられて

 

サルサバーに行ったことがあったのね

 

もちろん、運動音痴でリズム感が致命的に悪いあたしは、

 

専ら見学しているだけだったのだけど

 

そこで、イケメンのインド人のメンズと知り合って、

 

時々デートをしたりしていたのよ

 

そ、モデルも学生業の傍ら、片手間でしていたと言うだけあって、

 

相当イケメンではあったけど、その当時、

 

ガラケーに自分のおびただしい自撮りばかりが収められていたのには、

 

さすがのあたしも若干引いたけどね…汗

 

もちろん、その頃は、あたしもお堅い女だったので、

 

彼があたしに対して好意以上のもはや下心を抱いていて、

 

時々はどさくさに紛れてあたしのタイトスカートのお尻に触れることもあったけど

 

いかんせん、面食いなところがあるあたしのことだから、

 

その手を律儀に払いながらも、彼とデートを続けていたのよ

 

くぅー、今にして思えば、その彼と一度ぐらい寝て

 

つまみ食いしておくべきだったと悔やまれてならないけどね!

 

そんでもって、彼は農業を学びに来ている学生だったせいもあるのか

 

彼がいつでも迎えに来てくれた車は、平成当時、ひょっとしたら、

 

昭和のレトロカーなのかしらんって、

 

彼のためにこちとら、盛大に目一杯おしゃれしたのに、

 

ちょっと乗り込むのを躊躇したりしていたことがあったのね

 

そーいうわけで、あたしはてっきりアレックスもそんな感じの

 

レトロな車でお迎えに来るのかもって、どこか覚悟していたところがあったのよ

 

だけど!!

 

実際彼は、トヨタの具体的な車種は明かせないけど、

 

どーやら現在では製造中止になっているみたいだけど、

 

欧米では未だ人気あるコンパクトワゴンに乗っていて、

 

内装、外装ともにかなり手入れされているのが感じられて

 

決してイヤな感じのレトロ感ってばなかったわね

 

そ、早い話が全然古臭さを感じなかったの

 

それはひとえに、彼の気質、センスを物語っているよーだったわ

 

絶えず流してる音楽は、日本人には少し音量大きめの、

 

ヒップホップの音楽だけど、当然ながらそれが様になって嫌味なくカッコイイ!

 

アレックスはニット帽と、首には何かの英字が模様の様に入ってる短めの茶色のマフラー、

 

シャギー素材の黒のボンバージャケットを羽織っていたけど

 

その下は、体温が高めの外国人らしー、ワイシャツ1枚、下もチノパンだけだったわね

 

それから、あからさまなブランド製品を嫌う、欧米系の外国人にしては珍しく、

 

ヴィトンのリュックを持っていたのがとても印象的だったわ

 

うふふ、あたしが逢瀬の三種の神器を入れて持ち歩く、

 

バニティーケースが同じヴィトンだったから、どこか気まずかったけど汗

 

それってば、日本での生活、日本人との結婚で培われた、趣味嗜好だったのかしらん?

 

いずれにしても、アレックスはこんな田舎で際立った仕事があるとも思えない、

 

この町でかなり羽振りのいい生活をしていることだけは見て取れたわね

 

だから、あたしに対しても、そんなに極端に酷い扱いをしないだろーとも踏んだの

 

「キデ、何かお酒を飲まない?」

 

「え?お酒…?」

 

これまでに色んなメンズとこーやって待ち合わせをして車に乗り込み、

 

逢瀬を繰り返してきたわけだけど、

 

のっけからこーやってお酒を誘われたことは初めてだったから

 

あたしもきょとんとしてしまったわ

 

そーでなくても、あたしはこの町での退屈さを嚙み殺すために

 

既にハーフボトルでシャンパンを一人で空けて来たというのに?

 

セフレメンズの一人とそーやって、あたしが直前まで飲酒した状態で逢瀬したら

 

どんなに強力なアメリカ製のマウスウォッシュでもっても

 

やはり喉の奥から発せられるアルコールの匂いは誤魔化せる筈もなく

 

「酒の匂いがする」って、後で冷たく指摘されてしまったことがあったの

 

外国人は国、地域、文化によって酒に対する姿勢がそれぞれ違うから

 

直前まで飲んでいた酒の匂いに引かれやしないかって、

 

むしろ、あたしはそっちで若干緊張し、身構えていたけどね

 

一応、お断りはしたものの、どーしても一緒に飲んでくれと頼むものだから

 

弱いものの、元々は酒好きのあたしのこと、

 

断り切れずに一緒に途中でコンビニに寄ったわね

 

日本生活の永い、アレックスのことだから、

 

現在の日本の飲酒運転に対する厳罰化は熟知している筈よね?

 

だとすると、これは今夜、あたしたち、かなりの長丁場になりそーね?

 

少なくとも、お酒の酔いが醒めるまでは一緒にいないとね

 

尤も、あたしたちは何時までと終わりの時刻を予め決めていたわけでもなかったし

 

独身のアレックスと、みなし独身の気楽さの、人妻のあたし、気持ちさえ盛り上がれば

 

別にそのまま外泊してしまったっていいわけで

 

「日本人の男は、酒を飲むと弱くなると言うけど、それってあり得る?

 

外国人の男は、酒を飲むと、ますますPが元気になるんだ!」

 

うーん、確かに、アルコールを摂取することで体内で発生する、

 

毒性物質、アセトアルデヒドを肝臓で分解する能力は、

 

あたしたち黄色人種は弱くて、白人、黒人は強い

 

そのせいか、確かに過度のアルコール摂取は

 

アジア人男女ともに性的に弱くしてしまうわね

 

さて、あたしたちが立ち寄ったコンビニでは、

 

ちょーど地元のプロバスケットリーグの選手と思われる、

 

これまた黒人のかなり長身の数名のメンズが買い物をしていて

 

恐らくアレックスと目を合わさせたと思うけど、

 

両者特にアイコンタクトとかしていなかったのは意外だったわ

 

これがアメリカ人なら、相手が誰であろーとも、

 

目が合うとアイコンタクトしてくるものなのにね

 

カナダ人はしないものなのかしらん…?

 

さて、あたしはそこで自分のお気に入りの銘柄の350㎖の缶ビール1本と

 

改めて無香料の炭酸水を自分のために選ぶと、

 

レジまで行って、アレックスに買ってもらったの

 

人手不足のために、きっとオーナーの老夫婦で

 

年末のコンビニを切り盛りしているのでしょ

 

高齢のご婦人のコンビニ店員は、彼女の人生でこんなに一度に

 

大量の黒人メンズにお目にかかったことはなかったのかもしれない

 

レジでの支払いはつつがなく行われたにも関わらず、

 

やたらあたしに何かしら救いを求めるかのよーにチラチラ見ていたわけだし

 

いいえ!

 

あれは、ひょっとしたら、あたしが黒人メンズと並んで一緒にいるのを

 

彼女なりの好奇な目で見ていただけなのかもね

 

そ、あたしがカメルーン人のセフレと一緒に並んで外出しているとき

 

ちょーど、四半世紀前の留学先のソウル市内でよく出会った、

 

韓国人らの視線とどこか似てることを思い出したわ

 

こんな田舎でこんな好奇な目にさらされるのは、

 

アレックスにとってはまだまだ日常茶飯事で、

 

退屈な上に窮屈なんだろーな…

 

あたしはそんなことを1人でぐーるぐーると思いながら

 

再び彼の車に乗り込み、少し先にネオンがもー見えている、

 

ホテルへと向かって発進したの…

 

to be continued…

 

 

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