タツノスケ師範
あたし、どーにもおかしいの
あたしを淫らにしてしまう雨模様じゃないのに、
からっからに秋晴れでむしろ汗ばんでしまうぐらいなのに
それとも、長めの朝風呂を終えた後で、
缶ビールを勢い良く空けてしまったせいかしら
その後で、酷くタツノスケ師範に飢えているの
でも、こんなのあたしらしくない
もしも、たったあれだけのアルコールで本当に
あたしが淫らになってしまったとしたら
だって、こんなことってば今まで全然なかったわけで
それでも、ビールの酔いさえ覚めてしまえば、治まるのだと思ってた
いつも飲んでるたった1本の缶ビールだったのに
夕方になっても酔いがしつこく残っているよーな感じで
頭は回らないし、ずっとぼんやりとしてる
うふふ、それにどこかふわふわして気持ち良かったりさえする
おまけにさっきから、あたしの小陰唇まで調子に乗って充血してきやがってさ
大きく膨らんでじんじんと疼いてちょっと痛いの
ここのところずっと、あたしのMってば
まるで食いしん坊の蛇のよーだと思ってる
そ、あたしは自分の体のちょーど真ん中に蛇を1匹飼っているの
おぉ、それは自分のお口よりもはるかに大きい
タツノスケ師範のPをあんぐりと丸飲みするのが大好きで
一旦、食らいついたなら、獲物を決して離すまいと
ちょっとずつ口を大きく開けながら
お口の両側にだらしなく垂れ下がったはずのヒダさえも総動員してしがみつき
それはピタッとタツノスケ師範のPにくっついたかと思えば
めり込んでいくPの動きに合わせていやらしくひるがえったりを繰り返す
口の中で消化液をシャワーのよーに獲物にシャーシャーと浴びせかけて
噛まずに奥へ奥へとズルズル飲み込んでいくのよ
おぉ、おまけに昨夜は、知らぬ穴から知らぬ液体が
じんわりと溢れてきやがるものだから
てっきり失禁したものだと怖くなってあたしは
フンって気張ってせき止めよーとしたら
タツノスケ師範、あんたはフフンって笑ったね
「そのまま垂れ流してしまえ、怖がることはない
それは『はめ潮』だから」って
一体、あたしの体ってば、どーなってしまっているの?
いつからあたしはこんな大食いの、食いしん坊の蛇になったの?
ね、口手八丁のタツノスケ師範、教えてよ?
嚙み砕けやしない、自分のお口よりも
大きな獲物なんて大味だと忌み嫌っていたのに
今では四六時中、あんたの巨根を飲み込むことばかりを考えてる
おぉ、今すぐ飲み込んでしまいたい
丸飲みして24時間ずっとあんたの巨根を
あたしの粘膜の壁で締めたり緩めたりして味わい続けていたい
一体、あたしたちってば、どーなってしまっているの?
出会ってから1…2…3と3日おきに逢瀬を繰り返しては
あはーんって1…2…3と3回ずつ中イキをむさぼる
4…5…6と6回戦目以上のことはもう覚えていやしないわ
え、こんなことは俺だって初めてのことだから、分からないんだよなんて
そんな無責任なことを言わないで
口手八丁のタツノスケ師範らしくないお言葉じゃない
道理が分からないからって、何でもかんでも「運命」で片付けてしまわないで
運命だなんて、全く聞き捨てならない言葉じゃない
だいたい、どの男もあたしに気安く使いたがり過ぎる
お互いに分かっているのは、求めても求めても癒えない渇望があるというだけで
あたしの性欲とあんたの強すぎる性欲とが夜な夜な激しくぶつかり合う
いいえ、高め合っているのかもね
ひとり顔を曇らせてあたしの帰りを待つ、夫の顔がちらりと浮かぶけど
「旦那が待ってるぞ、そろそろ帰るんだろ?」って
タツノスケ師範、あんたも白々しく口先だけで心配するけど
いつだって定時になればドライに踵を返して帰るあたしだったのに
面倒くせぇ、どーにでもなってしまえと気怠くあんたの隣で横たわる
そんなあたしをにやにやと動じもせずに見つめる
タツノスケ師範、あんたのそのふてぶてしさが大好きよ
この錯乱と狂気と渇望と恍惚…と、
この激情の行き着く先が一体どこなのか、
あたしは独りででもしかと見届けてやろーと思っているけど
タツノスケ師範、あんたも一緒に覗いてくれたら
何だかもっと楽しそーじゃない?
そんなわけで、あたしは今夜もまた
昨夜の情事の疲労が残る体を引きずりながら
あたしの真ん中で鎮座する蛇をなだめすかすかのよーに
タツノスケ師範の待つ、いつもの場所へと向かって行く
狂うなら徹底して狂ってしまえって、ニヤリとつぶやきながら…
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